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新年のご挨拶 名誉会長 西島安則  

新年のご挨拶
    全珠連名誉会長 西島 安則

西島安則名誉会長


 明けましておめでとうございます。
 昨夏、8月8日「そろばんの日」には、松山市の愛媛県武道館で全日本珠算選手権大会が盛大に開催されました。
 ひたむきに珠の頂点を目指して、修錬を積んできた真剣な若者たち。気迫に満ちた道場の張り詰めたすがすがしい気は、将来への明るい希望の確かな証しを示してくれます。
 そして「そろばん日本一」の栄誉を受けた選手諸君のきりっと引き締まった顔とその輝く瞳を見ると、胸が熱くなるのを覚えます。「そろばん文化」の深い伝統の、現代における厳粛な意義を改めて感得するのです。
 中国の古典では「往古来今、之(これ)を宙と謂(い)ひ、四方上下、之を宇と謂う」と「宇宙」を定義しています。そして、「宇の表(はて)は極まりなく、宙の端は窮(きわ)まりなし」ともあり、無限の空間と無窮の時間の大宇宙の時空を、おおらかに表現しています。
 修錬を積んで、自然と一体となったとき、人は究極の自由を得て、本来持っている能力を完全に発揮できると言われています。
 世界は近代化の怒涛を超えて、今や、「文明の衝突」とも形容されるジレンマに落ち込んでいる現在、新しい時代を拓くことは容易ではありません。
 「そろばん」に向かう子どもたちの真摯な目の輝きの中に、確かな希望が観えます。
 今年も、全国珠算教育連盟の掲げる理想が年代を超え、文化の境を超えて、人間らしい平和の世界の輝きにつながることを、切に念じるものです。

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