日数教全国研究大会 

算数・数学の教師もナットク そろばん教育の有用性

日数教全国研究大会でそろばんの
研究発表とポスターセッション


知的障害児の学習に寄与 
幼稚園・小学校部会での研修発表


 日本数学教育学会主催による第88回全国算数・数学教育研究(東京)大会が7月31日、8月1日の両日、東京学芸大学附属小金井小学校ほかで開かれた。
 今年のテーマは「これからの社会・文化・人間から算数・数学を考える」。期間中、31日の幼稚園・小学校部会では、渡辺郁子氏(千葉県長生村立八積小学校教諭)と中島えいこ氏(全珠連千葉県支部)による「計数型そろばんによる知的障害児の算数指導」と題した研究発表が行われ、知的障害学級でのそろばん指導の実践内容が報告された。

知的障害児の学習に寄与するそろばん学習=東京学芸大学付属小金井小学校

※知的障害児の学習に寄与するそろばん学習=東京学芸大学付属小金井小学校

そろばん技能が算数科の計算領域と合致

 「そろばんの指導では10の合成分解等で集中して取り組めるようになり、児童が“分かる喜び”“できる自分”を実感し、“できない、分からない”と下を向いてしまう学習でなく、“分かったから次の段階へ”という前向きの学習態度が身に付き、学習意欲が高まった」との発表があった。
 また、「小学校教諭がそろばん講師と連携を組むことによって、計算の便利な道具としての『そろばん』の操作技能が一人歩きするのではなく、算数科の計算領域と合致して両輪となって知的障害児の学習に合わせて進むことができた」との感想が述べられた。
 発表後、指導助言者の3氏による総評がなされたが、「数十年ぶりに感動した発表だった」と最大の賛辞が送られた。
 また、「教育の本来の目的である児童が〝自信を持つ〝ことを見事に実践した発表だった。現在の教育者は量を増やすことで基礎学力を付けさせようとするが、発表の中にあった〝理解できれば量ではない〝という言葉に改めて教育の質の問題を考えさせられた」と感嘆の声が相次いだ。
 そろばんの有効性をアピールした両氏の研究発表に会場の参加者から惜しみない拍手が送られ、研究発表が終わった。

注目を集めたそろばんの研究発表

※注目を集めたそろばんの研究発表

計数型そろばんの実例説明。渡辺氏(右)と中島氏。

※計数型そろばんの実例説明。渡辺氏(右)と中島氏。

『発見することを育む』事例が紹介
全珠連珠算教育研究所・算数教具研究会の
ポスターセッション


 8月1日には、全珠連珠算教育研究所・算数教具研究会によるポスターセッションが実施された。
テーマは「発見する喜びを育むそろばん授業の実践―思考力や表現力を高める指導を目指して―」。
 ハンガリーで行われていたそろばんを利用した算数授業から、「そろばんの玉3個を使って2桁までの数を作ろう」をテーマに発表があった。
 このたった一つの課題の中に多くの学習メニューが含まれていることを解説。まず児童が数を作り、できた数同士の関係を見つける等、発見する喜びを育む事例が紹介された。  
 当日、来場の先生には、厚紙で作ったそろばん玉と2桁のそろばんが描かれたワークシートが配られ、先生方が実際に2桁の数を作るところから体験できるようになっていた。 
 また、2001年からの連続発表である「数のしくみをよりよく理解する学習はどうすればよいか(6年次)―あなたも自分のそろばんを作ってみませんか!―」では、児童による手作りのそろばんについての発表が行われた。
 ここでは、来場者が自分でそろばんを作ることを体験し、算数科での「そろばんづくり」の指導案が提案された。
 そろばんの教具としての有効性を十分にアピールできた2日間が終了した。

参加者がそろばんづくりに挑戦。ポスターセッション会場

※参加者がそろばんづくりに挑戦。ポスターセッション会場

教具としての有用性を大いにアピール

※教具としての有用性を大いにアピール

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