お城でそろばんデモンストレーション 

新・海外珠算教育事情5 イギリス  
          
マルカリアン君枝氏のおたより
お城でそろばんデモンストレーション
  5月23~25日 マッサムの日本文化祭


 イギリスを中心に精力的に欧州でそろばん普及活動に努めるマルカリアン君枝氏(写真)。3月、来日の際にインタビューを試みた。そして、帰国後のそろばんデモの様子を伝えてもらった。

イギリスで活躍中のマルカリアン君枝氏

※イギリスで活躍中のマルカリアン君枝氏

 昨年11月、なだらかな丘陵地が続くイギリス・北部ヨークシャーのマッサムというところに、京都から舞妓さんを呼んで、日本文化のイベントを企画している。そこで、それを中心に日本の文化を紹介したいから、私にも参加するつもりはないか、とのお誘いがありました。
以前から風光明媚な新緑の5月のヨークシャーに一度訪れてみたいと思っていました。 
 また、最近、数学教師協会からそろばんの英文入門書が出版されたものの、一般の人に紹介するチャンスには恵まれていませんので、「ほかにも盆栽、合気道、折り紙,墨絵、凧揚げ、囲碁、寿司の紹介と日本家具や着物の展示即売もある」と言われ、ともかく参加してみることにしました。

マッサムの日本文化祭でそろばんを紹介

※マッサムの日本文化祭でそろばんを紹介

6つの学校の児童がそろばんを体験

 会場は人里離れた丘陵地に建つお城。一般の人がどのぐらい来るでしょうか。しかも、そろばんのことなど知りません。そこで主催者にそろばんの資料を送り、近郊の学校へ働きかけてくれるよう依頼しました。
その成果があって、6つの学校の児童がスクールバスで参加、午前と午後に分かれてそろばんを体験しました。

6つの学校から児童が参加。そろばんに興味津々

※6つの学校から児童が参加。そろばんに興味津々

そろばん会場 開設

 そろばん会場はお城の庭に張られたテントの中。私の手持ちのそろばんが30丁のため、10人座れる大きな丸いテーブル3つが用意されました。
 6つの学校は、全校生徒が27人の小さな村の小学校から、バスで1時間かかったという中学校、私立の優秀な子どもばかりの小学校、そして特殊学校とバラエティーに富んで、それぞれに楽しんでいただけたことでしょう。

特殊学校の先生が生徒の反応に驚く

 今回は特殊学校の付き添いで来られた先生方の反応が印象的でした。
「ほら、見て。あの子は、普段、数学の時間は全くノッてこない子ですが、今日は熱中していますよ」と言って、先生がとても興奮していたのです。
 今回も子どもたちのキラキラとした反応と丁寧にお礼を言って帰られる先生方の反応を思い出すと、体は長距離ドライブの疲れが出ていますが、「やはり参加してよかった」と思いました。
 主催者から、協力への御礼の挨拶と「来年はもっと良い環境を作るので参加をしてほしい」と言ってきました。
次回も楽しみです。

引率の教諭に説明。そろばんの教育的役割にナットク。

※引率の教諭に説明。そろばんの教育的役割にナットク。

初めて見る日本のアバカス(そろばん)に注目する大人たち。

※初めて見る日本のアバカス(そろばん)に注目する大人たち。

マルカリアン君枝先生へのインタビュー
  2006.3.27 第52回珠算研究集会(長野)にて


1.イギリスでの珠算普及活動はいつごろから?
 ◎1970年(昭和45年)頃からですね。

2.珠算人口は? 
 ◎まだまだ日本に伝えられているほど、実際は多くはないですよ。

3.小学校での珠算普及活動は?
 ◎1993年から1999年まで、週1回くらいの割合で実施していました。

4.イギリスでの苦労話を。
 ◎子どもたちはかけ算九九を知りません。
 ◎数の読み方も「十進位取り記数法」とは合致しません。
  だからこそ、そろばん指導は役に立つのです。

5.イギリスでのそろばん教育の展望を。
 ◎暗算を広めたい。
 ◎かけ算の計算を早い段階で教えてみたい。
 ◎22+35+10の計算は、そろばんではひとつの67になる。
 ◎日本の伝統文化「そろばん」として広めていくことが大切。
  そのためには「外国にある日本文化団体」へのアクションが今後、重要。

インタビュー中の君枝氏の瞳は、若者のように輝いていたのが印象的でした。今後とも先生の海外での活躍をみんなで応援しています。

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