関東ブロック珠算指導者講習会 

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関東ブロック珠算指導者講習会

 4月23日・24日の両日、千葉県一宮町の「ホテル一宮シーサイドオーツカ」で開催された第46回全珠連関東ブロック珠算指導者講習会。
 23日の第1講座は「百ます計算」に代表される陰山メソッドで知られる陰山英男氏(立命館小学校副校長・立命館大学教育開発支援センター教授)が担当、また、翌24日の第2講座では太田敏幸氏(千葉県立君津商業高校教諭)が講義を行った。参加者は200名を越え、連盟会員ほか小学校教諭も多数参加し、関心の高さが伺えた。
 開会に当たって、藤田千葉県支部長から次のように挨拶があった。
 「会場は長生郡一宮町一宮10,000番地という「一」続きの数字が並ぶところ。また、ここから昇る朝日は玉前神社、富士山、琵琶湖を経て、出雲大社まで直線で結ばれているという、縁起のよい由来のあるところです。先生方にとって実りのある講習であることを願っています」

総勢200名が参加。関心の高い講習の開始。

※総勢200名が参加。関心の高い講習の開始。

「読み書き計算」の反復練習、「早寝・早起き・朝ごはん」の生活習慣改善の重要性を説く

第1講座「学習の新しいルール」
 講師 陰山 英男氏(京都・立命館小学校副校長)

 いよいよ、第1講座で陰山英男氏が登場。テーマは「学力の新しいルール」。20年以上の実践とデータに裏付けられた資料がスクリーンに映し出され、ゆとり教育による学力低下が懸念される中、あふれる教育情報の中で何を信じ、選択していくか、参加者も真剣に聞き入った。

第1講座担当の陰山氏

※第1講座担当の陰山氏

生活習慣改善のための「新しいルール」の導入

 陰山氏は、過去、2段階で児童の知力・体力ともに衰えたという。
 1回目は1982年(昭和57年)。テレビやゲームの普及で社会が深夜化したこと。2回目は1993年(平成5年)。学習指導要領の改訂のとき。それぞれに、自身で「新しいルール」を設定し、実践した。
 1回目の1982年の「新しいルール」では、生活習慣の改善に重点が置かれた。結果、学力と睡眠の関係では7~9時間の睡眠時間が、最も児童の成績が安定し、それ以上でも以下でもよくない。また、食事に関しても、朝食をとっている生徒ほど学力は高い。「生活を朝型に切り替えて、きちんと朝食をとる。それもご飯と味噌汁がベスト」と語った。

「基礎・基本の反復練習」の重視

 2回目の1993年から導入した「新しいルール」では、基礎・基本の反復練習をおろそかにしないことに重点が置かれた。
 広島県尾道市立土堂小学校校長の時に実践した児童への「読み書き計算」の徹底・反復練習に代表される取り組みで、どの児童も知能指数がどの子も高まったことが裏づけとなった。

そろばんの効用 第1は「脳の活性化」
低学年において「百ます計算」に匹敵する
そろばん学習の効果


 そして、そろばんの効用については脳の活性化を第一に挙げた。小学校低学年では、陰山メソッドの「百ます計算」などの反復練習と同程度か、それ以上の効果を持つ、と語った。
 また、「これからは、そろばん教室でも脳によいこと(音読練習・フラッシュ暗算など)をどんどん取り入れ、イメージ力をつける授業が必要ではないか」と助言を行った。
 最後に、「早寝・早起き・朝ごはん」を実践し、「読み・書き・計算」の反復練習で脳をたくましくして、元気な子どもたちを作ること」を目標に、これからも「新しい教育」を進めていかなければならない」と結んで講義を終了した。

ちびっ子から花束の贈呈

※ちびっ子から花束の贈呈

第2講座「幕末とそろばん」
 講師 太田敏幸氏(千葉県君津商業高校教諭)

珠算史研究学会による「そろばんマップ」お披露目

 翌24日の第2講座では太田敏幸氏(千葉県君津商業高校教諭)を講師に「幕末とそろばん」の演題で講義が行われた。
 「そろばん」と聞けば、何でも見に行く、聞きに行くという太田氏。今まで北海道から沖縄県まで全国745か所のそろばん関係の見学先を訪れているという。
 講義では、関東に関係する人物を含め、江戸から明治へ時代が変わる激動期に生きた9人とそろばんとの関係にスポットが当られ、ゆかりの地を巡って得た資料・文献から解説した。以下、各人物とそろばんとのエピソード。

二宮金次郎
 帳簿上で利子や積立計算をしていた。
土方歳三・榎本武揚
 2人が乗った船、開陽丸が江差沖で沈没し、後に引き上げられたときの遺物の中にそろばんの珠1個があった。
佐久間東雄
 珠算(たまざん)という歌題での作品を作った。
小栗上野介
 小野友五郎からそろばんを習い、アメリカに行ったときに、「アバカスを持って、恐るべきスピードで計算ができてしまう」とアメリカの新聞に載った。
渋沢栄一
 二松学舎学長に就任して、「倫理と算盤」の講義を行っている。
坂本竜馬
 親せきが豪商という環境にあったのだから、当然、そろばんに関係していたに違いない。
西郷隆盛
 作家の故司馬遼太郎氏の著書「坂の上の雲」に「武士にはめずらしく、そろばん達者で、ふところに小型そろばんを入れていた」の一文を紹介。
小野友五郎
 咸臨丸の航海長として太平洋を横断したとき、測量・航路などの計算はそろばんで行っていた。

第2講座担当の太田氏

※第2講座担当の太田氏
 
 以上の内容と合わせて、参加者には講師の所属する珠算史研究学会による「そろばんマップ」が資料として配付され、受講者の興味も尽きず、終始、笑いの絶えない講義が終了した。

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