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みちしるべ 学習指導要領の改訂と地域のかかわり~そろばん人の活躍を期待する~ 

 みちしるべ
学習指導要領の改訂と地域のかかわり~そろばん人の活躍を期待する~
from 渡邉一衛(全珠連学術顧問/成蹊大学名誉教授・武蔵野市教育委員)

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 学習指導要領が改定され平成29年3月31日に公示された。平成29年度は周知・徹底期間であり、幼稚園は平成30年度から、小学校は平成32年度から、中学校は平成33年度から全面実施される。

 これまでの学習指導要領では、「何を学ぶか」を中心に示されてきた。前々回の改定ではゆとり教育として内容を減らし、前回は内容を増やした。今回は小学校の外国語教育の教科化により5、6年で35時間ずつ増加した。また、「どのように学ぶか」について、「主体的・対話的で深い学びの視点から学習過程の改善」を示している。そして、「何ができるようになるか」により、「新しい時代に必要となる資質・能力の育成と、学習評価の充実」を示した点が特徴となっている。この内容は、「生きて働く知識・技能の習得」「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力などの育成」「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性などの涵養」により実現させようとしている。

 そろばんに関しては、小学校3年及び4年の「数と計算」において扱われ、そろばんによる数の表し方、加法及び減法の計算の仕方について全員が学ぶことになった。これは珠算に関わる皆様方の地道な活動の成果であり、喜ばしいことといえる。しかし、それで満足していてよいのだろうか。

 国が進める施策の一つに「働き方改革」がある。時間外労働時間について、過労死ラインを超えている小学校の先生が約3割、中学校では約6割といわれている。そのため先生方の労働時間の削減は喫緊の課題である。その改善策の一つとして、学校と地域との連携の強化がある。これまでも小中学校は地域とともに活動してきてはいるが、各教科において地域のエキスパートが学校の教育活動を支援することで、さらなる連携の向上が図れる。

 こうした取り組みは、そろばん界では既に行われてはいるが、より深く連携が進む可能性がある。地域連携の推進役は学校長であり、各自治体の教育委員会が方向性を決め、支援していくことになる。そろばんを用いて技能の習得、論理的な思考力の向上、学びに向かう力の涵養ができる。これから各自治体で、エキスパート登録制度が普及すると思われる。そろばんを教育の手段として普及させるために、ぜひ手を挙げていただきたい。

※連盟機関紙「全国珠算新聞」第627号(2018.1)に掲載

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