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みちしるべ 子どもが夢中になる教材 

 みちしるべ
子どもが夢中になる教材
from 向山 宣義(全珠連学術顧問/算数・数学教育合同研究会会長) 

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 「ピタゴラスクラブⅡ」(武蔵野市教育委員会主催)という土曜教室で、算数の授業をさせていただいている。対象は4年生40名。5年目になる。

 授業は、数学的な見方・考え方を育てることを目的とし、6回で各90分。各回の教材は、毎年度、四つか五つ新たなものにしているが、一つだけ、子どもたちの人気が高く変えていない教材がある。『スパイロラテラル』という図形教材である。

 図1に示すように、一つの点から、右に1進み、右に90度向きを変えて2進み、さらに右に90度向きを変えて3進む。これを「3の形」と約束する。

【図1】

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 「3の形」は繰り返し描いてくと、図2のように元の点に戻る。

【図2】

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 進む長さを変えたらどうなるだろうと疑問をもたせ、図3のように、進む長さが、1だけのものを「1の形」、1と2のものを「2の形」、1と2と3と4のものを「4の形」、・・・とする。

【図3】

3
 
 こうして子どもたちは「1の形」から、「元に戻るだろうか?」と思いながら、一面に格子点のある作業シートに描いていく。

  「4の形」以降では、曲がる向きや長さを間違える子もいるが、次第に正しくできるようになり、描く作業に夢中になっていく。

  「4の形」では、「戻らない!」という声が出てくる。授業開始から50分ぐらいで「11の形」までを目標に描いていく。描いていく中で、「〇の形」の〇の数と、戻る、何回で戻る、戻らない、との関係が分かってくる。そこで、「きまりを見やすくしよう。」と表に整理してみる。すると、同じリズムの繰り返しのようにきまりが見える。

 子どもは、何かきまりがありそうだと感じる作業的な活動を好む。それとこの教材の人気は関連すると思うが、それだけでない。曲がる角度や辺の長さを変えてみるといった発展的な扱いもできる。高学年なら証明にも取り組める。

 子どもが、知らず知らずに夢中になり、考える楽しさを味わえる授業づくりに励みたい。

※連盟機関紙「全国珠算新聞」第625号(2017.9)に掲載

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