三井寺の算額奉納 「そろばん発祥の地」に息づく先人の遺産 

三井寺の算額奉納 
「そろばん発祥の地」に息づく先人の遺産

 算額(さんがく)とは、江戸時代中期頃の日本で始まった風習で、神社や寺院に奉納された和算の絵馬のことです。和算は江戸時代鎖国をしていた影響で、独自の発展を遂げることができました。先人は、神社や仏閣の額や絵馬に、和算の問題や解法を記して奉納し、数学の問題が解けたことを神仏に感謝し、益々勉学に励むことを祈願されたといわれています。特に平面図形に関する問題が多く、土木工事や徴税などに用いられたということです。

 また、市民が学力向上などを願って寺社に奉納された算額の問題に挑戦することもあったといわれています。絵馬には難問だけを書いて奉納する者も現れ、その問題を見て解答を算額にして奉納する者もいました。人の集まる神社仏閣を数学の発表の場とし、市民の和算の向上をはかりました。 大津市の三井寺では、1828年(文政11年)に奉納された算額が残っています。

 数学の授業で「和算」を取り入れている縁で、算額の文化を伝えようと、立命館守山中学校(守山市)と同志社中学校(京都市)の3年生が、合同の算額奉納や交流会を2014年に開催しました。 優秀な「算額」は観音堂に永年奉納され、展示されます。今後もお互いに和算の研鑽を積んで交流をはかり、親睦を深めるということです。

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生徒が奉納した算額

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整然と並んだ英知の結晶

 日本独自に発達した数学「和算」、今後も先人が残してくれた貴重な文化財として、学問に対する真摯な心得を示唆してくれる算額を、いつまでも後世に伝えることが大切ではないでしょうか。

 「そろばんの発祥地」である大津にお越しの際には三井寺へも足を運んでいただき、算額の見学もしていただきたいと思います。

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滋賀県大津市にたたずむ三井寺


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