全珠連会員が藍綬褒章受章 関谷揚子氏(岩手県) 

全珠連会員が藍綬褒章受章

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 4月28日、2016年春の褒章受章者が発表され、盛岡少年院で20年間そろばん授業を担当する篤志面接委員を務めた関谷揚子氏(岩手県)が、藍綬(らんじゅ)褒章受章者に選ばれました。
 この栄誉について、全国紙3紙、地方紙2紙でも取りあげられ、関谷氏は受章の重みを実感するとともに、喜びのコメントを寄せてくれました。


 本年春の褒章の「藍綬褒章」を賜る誉れを頂戴することとなりました。これは身に余る光栄であり、国民として大変名誉なことという感慨とともに身の引き締まる思いであります。

 亡き父、関谷孝が1980年から、当時の教育長の依頼で盛岡少年院の篤志面接委員として珠算指導を始め、1996年に死去したあと私が引き継いで本年で父娘合わせて36年間続けさせていただいております。

 今回の私の受章に際しましては、全国珠算教育連盟の盛岡少年院の被収容者に対する検定受験料無償というご厚意が大きな後押しとなっていると存じます。少年たちは珠算の練習をし、定期的にある検定試験を受けることで、目標に向かう姿勢や努力を身につけたり、不合格であってももう一度がんばるという気持ちでまた練習をしています。

 現在、再犯の少年が二人います。T君は非常に優秀なのですが、母親との関係がうまくいかずに投げやりな言動をするため教官たちと衝突しているようですが、「珠算だけは真面目に取り組んでいる」と院長がおっしゃっています。事実、私にはとても素直です。
T君は1級の検定で応用計算は満点で合格し、開平もすぐに習得して、1月の検定では初段、3月は準弐段に合格できました。

 K君は珠算をしているときの姿勢がよく、必ず上級にいけると思うのですが、「合格できる気がしません」と自信を失っていました。そのため次に会ったときは「今日はK君にいっぱい教えるために来たよ」と言い、位取りで迷っていましたのできっちり時間をかけました。

 教官によりますと、その後一人で毎日のように練習をしていたそうです。その甲斐があり、3月には2級に合格できました。先日K君に会いますと見違えるほど意欲的になっていて、1級だけでなく段位の練習もしたいと言っています。T君もK君も珠算を通して更生への道を再度歩いています。

 私の矯正活動は、少年たちを変えようとするのではなく、少年自らが「変わろう」という気持ちになるようサポートしたいと考えます。かつて父が「少年たちは自分は落ちこぼれだと思っている。彼らをそう思わせたのは、私たち大人の責任なのだから少年院の中では一人も落ちこぼさないこと。一人ひとり多様性があるのを認めること」と話していたことを覚えています。

 珠算検定があるおかげで、少年たちは高い目標に向かって生活をしています。もちろん合格することも重要ですが、日々一歩ずつ努力を重ねていくことこそが大切なのだということに気づいてくれるように、これからも彼らに寄り添っていきたいと思っております。

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