「心と身体の健康を求めて」  

特別発表
「心と身体の健康を求めて」

  文教大学人間科学部准教授 大木桃代 氏

医療現場を心理面から見ると家族ほか支える人の存在が大きく影響・大木桃代氏
※医療現場を心理面から見ると家族ほか支える人の存在が大きく影響・大木氏

 医療心理学(医療行為及び疾病とそれに関わる人々に関連する心理学の一領域)を専門に自身の実践報告と研究を発表。
(早稲田大学大学院文学研究科において心理学専攻、博士課程終了。多数の大学で非常勤講師を務める。全珠連東京都支部・大木よしい氏(実母)のもと小学3年生の時に珠算1級を取得。)

身体疾患の医療現場における心理士の活動

 近年、悪性腫瘍や循環器・糖尿病など身体疾患の現場においても心理士の需要が増加している。東京大学医科学研究所附属病院における臨床心理士(指導健康心理士・認定心理士)の活動から紹介する。(主に悪性腫瘍に罹患した患者及び家族の精神的ケア)
 ◎直接的介入(面接・査定・カウンセリング)
 ◎間接的介入
  ①スタッフによる患者・家族の心理面の助言
  ②医療スタッフへの要望・不満の受容・対応⇒患者・家族と医師・看護士などのスタッフとのコミュニケーションの強化⇒信頼関係の強化。

ガン患者に対するソーシャルサポート

 ◎周囲の様々な人からの有形・無形の援助
 ◎道具的サポート〔直接的(実体的サポート)・間接的(情報的)サポート〕
 ◎社会情緒的サポート〔情緒的側面へのサポート・認知的側面へのサポート〕
  どの種類のサポートを求めるかは、その出来事と対象者によって異なる。
 ◎ガン患者にとって有益・有益でないサポート

 有益なサポートとは「ただそばにいるだけ」「関心・共感・愛情を示す」「患者がガンであることを静かに受け入れる」「実践的な援助を与える」「病気の見通し、ガンへの対処能力について楽観的になる」
 有益でないサポートとは「患者のガンへの対応を批判する」「患者がガンによって受けている衝撃を過小評価する」「心配・悲観しすぎる」「関心・共感・愛情をほとんど示さない」

他者のパーソナリティ理解に影響を及ぼす要因

 ◎状況要因
  人は異なる状況においては異なる行動・態度を示す→一時点の言動を見て、
  それがその人の全てであると判断しない
 ◎観察者の認知スタイル
  同じ言動を見ても、それに対する認知が異なる→自分の認知スタイルを自覚する
  必要性

身体疾患の患者にとって家族とは

 家族は何より大きなサポートの提供者、危機的状況においてこそ今までの家族関係が反映される。
 「誰でも身体の病気になります、その時、いかに家族で支え合えるか、ということが、たとえ身体が病気であっても心の病気にならないでいられるか、という大きなポイントになります。本日のタイトルにその思いが込められています。」とむすんだ。

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