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珠算指導者講習会(道北) 演題:開法の指導方法について 

珠算指導者講習会(道北)
演題:開法の指導方法について

 7月29日午後2時から、支部事務所において珠算指導者講習会が開催されました。

写真3(珠算指導者講習会・平成30年7月29日)

 当日は支部総会終了後、山本副支部長が講師をつとめ「開法の指導方法について」という演題で始まりました。

 先生方は理解はしているものの、そろばんをはじきながら講師と一緒に勉強していました。

 また、開法には7種類の解き方があるということを初めて知った先生も多いように思われました。 
 
 開立については忘れかけている先生もいて、改めて理解をしていたようとなりました。

 当日は旭川市では珍しく気温が34℃まで上昇し、汗をふきながらの講習会でした。

 途中でメロンの差し入れ等もあり、和やかな雰囲気のうちに終了し、懇親会に移りました。

 参加者は26名でしたが、講師と一緒に勉強することで一層次期の講習会の参加者が増えるように思いました。

小学校現職教員珠算研修会(兵庫県) ~先生が学ぶそろばん授業~ 

小学校現職教員珠算研修会(兵庫県)
~先生が学ぶそろばん授業~

 そろばんの指導法を小学校教員が学ぶ「小学校現職教員珠算研修会」が8月10日、神戸市勤労会館で開かれました。

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 神戸市の現職小学校教員7名が参加し、支部会員の間部佳苗先生を講師に、『教材「たのしいそろばん」を使った珠算初歩指導』というテーマで先生流指導法を、教員たちは生徒役となって受講しました。

 講習は、クイズを取り入れた初歩指導法で、教員のみならず我々珠算指導者も楽しく学びました。

 その中からここでクイズを1問。

問題「ソロバンの玉は何の木で作られているでしょう?」

1.カバの木
2.ゾウの木
3.キリンの木
4.トラの木
(正解は省きます)

のような子供の心をつかむクイズが満載でした。

 参加された教諭は「とても楽しくてわかりやすかった。私もクイズを授業に取り入れたい」と話していました。

 研修後半は、尼崎市の杭瀬小学校のそろばん授業風景をDVDで観ました。
  
 尼崎市立の41校全ての小学校では、計算科として3・4年でそろばんが必修になっていて、1年間で50時間教えられています。

 そろばんを取り入れた計算特区になってから、算数だけでなく他の科目の学力も上がっているそうです。

 研修後、滝本副支部長より小学校教員に履修証明書が手渡され、研修会が終了しました。

 例年小学校講師派遣の要請が大変多く、今年は神戸市の75校に制限し、派遣事業を進めることになりました。

クラウドファンディングでそろばん国際交流会を実施 

クラウドファンディングでそろばん国際交流会を実施

 兵庫県立小野高校国際経済科3年生のグループが、課題研究の授業の中でそろばん文化の再普及に取り組む研究活動を行っています。

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 かつては、「読み、書き、そろばん」といわれた時代もあるほど日本人の生活にとけこんでいたそろばん文化ですが、現在、国内ではそろばんに対しての興味・関心が薄れてきています。

 一方、海外ではその魅力が注目され始めており、現在ではそろばんに対する人気が増加しています。

 そこで世界的に注目をあびるそろばんの魅力や人気を逆輸入し、小野市や日本のそろばん文化を再び活性化するためのそろばん国際交流会を高校生が企画しました。

 この国際交流会の運営資金として約110万円が見込まれましたが、その資金確保については、インターネット上で人々に支援を呼びかけ資金を募るクラウドファンディングを活用し、去る8月21日、小野市で無事に交流会を実現することができました。

 地元伝統産業の復興と国際化の両方の視点から魅力ある企画に挑戦し、奮闘する小野高校国際経済科の取り組みに今後も注目し、応援をよろしくお願いします。

第54回静岡県そろばんの日 

第54回静岡県そろばんの日

 8月24日、第54回静岡県そろばんの日の式典がJR東静岡駅近くのグランシップで開催されました。


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 この式典は、珠算または暗算で、6月までの1年間に小学生で1級以上、中学生で段位、高校生で参段以上に合格した生徒及び学習意欲の高い模範生徒を表彰するものです。

 今年の受賞者は472名で、一人ひとりに壇上で楯が贈られました。

 未就学児童特別表彰として6歳11か月で暗算3級合格の山岡陽花さん(7歳)、第383回検定で暗算と珠算の両方に十段位合格した寺井佐織さん(18歳)が表彰されると会場は感嘆と憧れの拍手であふれんばかりとなりました。

 また、8月8日の全日本珠算選手権大会の都道府県対抗競技で静岡県チームは優勝決定戦に残り、3位入賞となったので、当日の模様をスクリーンで上映し、チームメンバーに特別奨励賞が贈られました。

 同時に募集したそろばんにまつわる作文・詩の最優秀作品が壇上で朗読されました。

 休憩をはさんで交通安全教室、県警音楽隊の演奏やお楽しみ抽選会で盛りあがり、午後4時に無事閉会しました。

珠算指導者講習会(佐賀県) 演題:ピアジェ式心理学に学ぶゲームこそ上達の近道 

珠算指導者講習会(佐賀県)
演題:ピアジェ式心理学に学ぶゲームこそ上達の近道

 佐賀県支部では毎年8月に開催する珠算指導者講習会を19日佐賀市立図書館において、宮崎県支部長で自らも塾を38年間経営されている中窪豊秋先生をお招きし、ゲームを取り入れた指導法の講習を受講しました。

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 近年は小学生になる前から子供にそろばんを習わせる親が増加しています。

 塾通いの低年齢化が進む中、そろばんの技術に加え、空き時間には数学能力や社会性が身につくとされる数字やおはじきを使ったゲームを勧め、そろばん指導を面白くと、心掛けていることを紹介されました。

 5目並べならぬ「3目並べ」と呼ばれるゲームや、かけ算をしてビンゴゲームのように数字が書かれた紙をひとマスごとに埋めるゲーム等を実践されました。

 計算のできない子が増えている中、低学年向けのわかりやすい指導について「読み・書き・そろばん」をもう一度原点に返って考える必要があると力説されました。

 かけ算・わり算指導には必ず確かめ計算に力を入れている等再確認する内容でした。

 講習会には、県内の指導者約20名が参加しました。

 内容の深さに満足し「ピアジェ式指導法」を早速取り入れたいと意気込んでいました。

 これからもよりよい講習会を実施していきたいです。

珠算指導者講習会(青森県) 演題:指導に困ったときのQ&A 

珠算指導者講習会(青森県) 
演題:指導に困ったときのQ&A

 8月19日、青森市浅虫温泉において青森県支部珠算指導者講習会が、パネル討議「指導に困ったときのQ&A」という演題で開催されました。(受講者72名)

  支部総会・指導者講習会平成30年8月19日 001 (21)
  支部総会・指導者講習会平成30年8月19日 001 (20)

 パネラーは福田洋子(青森地区)、村元柳子(弘前地区)、小川原光治(三沢地区)の三氏。

 座長を能登金文研修部長(八戸地区)が務めました。

〇初歩指導
 6~9のひきざんでは分けてひくか同時にはらうか、2桁のたしざん、ひきざんで10の位を理解させるには(1の位からおく生徒がいた場合)どのように説明し理解させるかについて各パネラーが指導経験を話しました。

〇5の合成分解・10の合成分解どちらから指導するか
 1年生や幼児は10の合成分解の方が理解しやすいのではないか。たせない・ひけないという言葉を安易につかってはいけない。教材の選び方が大事で拒否反応をおこすことのないようにする等の意見が述べられた。

 会員からの質問コーナーでは、

〇初級でつまずいたときどのように練習させているのか
〇フラッシュ暗算の導入時期はいつ頃か、導入で苦労したことは何か
〇フラッシュ暗算を導入してよかった点

などについて意見交換がなされました。

 今回は初歩15級から10級までの指導上困ったことについてパネラーを中心に、参加した先生方も一緒に解決方法を探りました。

 2時間という時間の制約があり10級で終了となったため、9級からのQ&Aを次回開催することとなりました。

YELL VOL.15~社会の第一線で活躍するそろばんOBからの応援メッセージ~ from大塚 裕幸 

YELL  VOL.15
~社会の第一線で活躍するそろばんOBからの応援メッセージ~
from 大塚裕幸(東京都)

20180223大塚裕幸

<略歴>
北海道砂川市生まれ
北海道大学大学院修士課程を修了後、NTT及びNTTドコモの研究開発部門に勤務
1992年に北海道大学から無線通信に関する研究で博士(工学)の学位を取得
2010年から工学院大学情報学部情報通信工学科の専任教授
珠算十段、第一級無線技術士の資格を有する
著書に「基本からわかる情報通信ネットワーク」

珠算はヒトを進化させる
 珠算の競技選手を引退したのは1982年ですから、今から35年前になります。その後、故郷の北海道を離れ東京の企業に27年間、そして都内の大学で8年間教鞭をとっています。今回、本会報に寄稿する機会をいただきましたので、珠算から始まった人生経験を振り返りつつ、珠算で得た教訓をお伝えしたいと思います。

 私は小学校4年生から砂川市の櫻田珠算学園で櫻田寅衛先生のご指導を受けました。小学校6年生のときに競技選手に抜擢され、それからは厳しい練習が毎日続きました。競技選手になってすぐに珠算検定試験1級を満点合格し、地元の新聞に顔写真付きで紹介されました。これが選手としてやっていく自信が持てた最初のときでした。珠算種目の中で、私が得意としていたのは暗算でした。櫻田先生は「読上暗算の日本一の選手を作る」ことが目標で、その練習に多くの時間を費やしました。実をいうと、私は手先があまり器用ではありません。従って乗算は苦手でした。見取算、伝票算は完全に暗算で、除算は幾分暗算を利用していました。商業実務の内容を含む応用計算も得意でした。珠を弾くスピードよりも問題を解くアプローチが入っていたので、私には向いていました。

 暗算は頭の中でどのように計算するのがよいかで悩んだことがありました。基本は、頭の中にそろばん珠をイメージしアナログ的にそろばんを弾くのですが、私の悩みは、右脳、左脳のどちらを使って計算するかです。私の経験では、読上暗算については右脳を使う方が調子がよかったです。逆に暗算種目(乗算、除算)は左脳を使っていました。もちろん感覚的なもので確固たる自信もありませんでしたので、どちらが正解ですかと先生には相談できませんでしたが。そうこうしているうちに、高校生のときに全日本珠算選手権大会の読上暗算で優勝しました。櫻田先生の目標を達成したわけです。ただ運もありました。開催場所は北海道の札幌市でした。私は蒸し暑いのが大の苦手で、本州での競技大会は一苦労しました。特に、暑い8月に行われる全日本珠算選手権大会は意識朦朧状態でした(笑)。大学生のときにもう一度、全日本珠算選手権大会の読上暗算で優勝するのですが、開催場所は比較的涼しい仙台でした。このときは、12桁の暗算に正答しました。優勝のご褒美として、そろばん日本一の木村氏とともに中国に派遣をしていただきました。この中国派遣は、後述しますが何かの縁と今でも思っています。また、大学生のときに最高位の十段位を獲得しました。競技生活は残り少ないなと感じ始めていたので、これまでの努力が実ったと、心底喜びました。

 さて、珠算から何を学んだのか、社会人になってその経験がどのように役立っているかについてお話ししたいと思います。

 まずは、珠算によって単純に算数、数学を好きになった、ということです。小学生のときは、算数の授業で出された計算問題をいつも一番で答えていました。もちろん先生に褒められるのでますます算数が好きになります。では中・高になってどうなるかというと、当然ながら珠算とは違う要素がたくさん入ってくるので、そう簡単ではありませんが、算数が好きだ、計算が得意だ、というアドバンテージがあるため比較的スムースに数学に入っていくことができたと思います。さらに、珠算は算数・数学だけではなく人間の能力全般を間違いなく高めます。脳内の指令により指で球を弾くこと、暗算で脳細胞をコンピュータのように使うことによって脳内を活性化し成長させます。そういう意味で珠算は極めて優れた教育手段の一つと考えてよいと思います。人間は一般的に脳の能力のほとんどを使っていないという研究論文もあります。珠算は間違いなく脳の能力を引き出します。私が大学に進学できたこと、博士の学位を取得できたこと、一流企業で研究開発に携わることができたこと、大学教授になれたことは、珠算・暗算によって脳が鍛えられたことだと確信しています。おそらく、櫻田珠算学園に入塾していなければ、何一つとして実現できなかったと思います。そういう意味で、私は珠算に大変感謝しています。

 2点目は、精神的な強さが身についたということです。これはどの競技にもいえることですが、競技大会でよい結果を出すためには、能力もさることながら精神的な強さが必要です。これはすぐに身につくものではありませんが、経験を重ねることによって、あるいは自信が生まれることによって精神的な強さが身につき、平常心で競技大会に臨めるようになりました。競技選手を始めて最初のローカルな競技大会で、会場の雰囲気にのまれ、また精神的に浮足立ってしまい散々な結果になり、ずいぶんと落ち込んだ記憶があります。これを契機に、いかに平常心で競技に集中できるかが一つの大きなテーマになりました。大学受験、社会人になってからの面接、資格試験、国内外での研究発表などは、読上暗算で日本一になったという自信、珠算で養われた精神的な強さがあったからこそ、うまくいったと思っています。私は海外大学への研修も含めて約7年間、海外で仕事をしていました。英会話はさほど得意ではないので、英語で交渉するとき、あるいは外国人と一緒に食事をするときは緊張しましたが(今でも緊張します)、やはりここでも珠算で身につけた自信、精神的な強さが平常心をもたらしてくれました。読上暗算日本一のご褒美で中国に派遣されました、と先に書きましたが 、中国の北京にも赴任しました。北京赴任の話があったときは、珠算との因縁を強く感じ何の抵抗もなくすんなり受け入れました。現地の社員に、暗算を披露し、とても驚かれました。カナダのオタワ、UK(イギリス)のロンドン赴任中にも現地の方に暗算を披露しました。いずれも驚愕(amazing)されました。珠算、暗算は世界的にみても卓越した計算手法で、これほど優れた技術は世の中に無いと確信しています。珠算、暗算はヒトを進化させます。もっと世界に普及させるべきだと思います。

 もう一つ重要で忘れがちなのは、珠算は協調性を高めることに役立つということです。珠算は個人の競技と思われがちですが、一緒に練習する先輩、後輩とお互いに意識を高めあう、場合によっては指導する、秘技を伝授することが行われます。塾、競技会場では周りの人に迷惑をかけないようにする。これらは協調性そのものです。社会人になると、この協調性がとても重要になり、個人の一つの評価項目になります。私も社会人になって競技選手時代に培った協調性の恩恵を受けています。珠算は単に計算スキルを向上させるだけではなく、この協調性の資質を向上させることを、もっとアピールしてはどうかと思います。

 現在は大学で学生の指導を行っています。珠算では指導を受ける立場にいましたが、今はその逆で学生を指導する側です。指導を受けていたときは先生に対して理不尽だなと思うときも多々ありましたが、今はそのときの先生の気持ちがよく理解できます。そういう意味でも、珠算での経験、教訓は、引退後35年たった今でも私の人生を支えています。

 この原稿を書きながら、久しぶりに現役時代を思い出しました。そしてお世話になった先生方への感謝の念に堪えません。砂川で厳しくそして温かくご指導くださった櫻田先生、そして冬の毎朝、塾内に石炭ストーブを用意してくれた櫻田先生の奥様。読上をしてくださった西田清吾先生(現、苫小牧市 珠道館長)、大学時代に札幌でお世話になった棚田忠美先生(故人、ご冥福をお祈りいたします)。最後になりますが、世界中の珠算をされている方、競技選手、そして指導者の方々のますますのご発展をお祈り申しあげます。