第27回学術顧問会議 -2020 未来に向けて- 

第27回学術顧問会議
-2020 未来に向けて-

 第27回学術顧問会議が11月19日、京都市「新・都ホテル」において開催されました。
 総合司会の前田珠樹珠算教育研究所主任研究員より学術顧問及び連盟役員の紹介、岡久泰大所長より趣旨説明の後、小沼光浩研究員の進行により会議が開始されました。
 また、会議に先立ち当連盟の学術顧問として長きにわたりご指導を賜り、去る5月にご逝去された故中野敏雄先生を偲び黙祷を捧げました。 


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 今回のテーマは「2020 未来に向けて」と題し、
一.新学習指導要領
二.人工知能時代の教育とは
という二つの議題について学術顧問から貴重なご意見が出され、活発な議論が交わされました。

 冒頭、平上一孝理事長が「珠算教育活動を通して人間力を高め、有義な社会人として送り出していくことを念頭に、連盟として活動する」「学習指導要領の改訂の公示の年で、学術顧問の高い見識の中からご指導賜ったことにより、引き続き小学校3年生4年生で珠算学習ができる環境が整ったことは珠算指導者として大きな喜びであり、連盟もそれに向けた新たな一歩を踏み出し着実に成果あげていくよう努力していかなければならない」と挨拶を述べました。

 会議では、
・逞しく対応できる人間、人間ならではの強み
・主体的、対話的で深い学び
・人との会話の中で人の考えと自分の考えの比較
・どのように学ぶか、また何ができるようになるか
・意志持続についての個人差
・ストレス社会を生きるには
・暗算による海馬の発達と記憶力の向上
・人工知能時代におけるそろばんの方向性
など活発に協議がなされました。

 また今回新企画として、学術顧問からの3分間スピーチも行われました。

 途中休憩の前に前田珠樹主任研究員より平成28年8月に行われた第98回日数教(岐阜)大会における取り組みについての報告が、また3分間スピーチ後に上野雄大研究員より平成29年度全日本珠算選手権大会参加者へのアンケート調査の結果報告がありました。

 会議終了後、研修学教委員会澤田悦子委員長の司会進行により懇親会が行われ、和やかな雰囲気のなかすべての予定が終了しました。当日参加の学術顧問は、上垣渉・大木桃代・河野貴美子・久保田競・清水静海・中野靖彦・八田武志・渡邉一衛(五十音順、敬称略)。なお、詳細に関しては珠算春秋102号に掲載予定。

みちしるべ 学習指導要領の改訂と地域のかかわり~そろばん人の活躍を期待する~ 

 みちしるべ
学習指導要領の改訂と地域のかかわり~そろばん人の活躍を期待する~
from 渡邉一衛(全珠連学術顧問/成蹊大学名誉教授・武蔵野市教育委員)

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 学習指導要領が改定され平成29年3月31日に公示された。平成29年度は周知・徹底期間であり、幼稚園は平成30年度から、小学校は平成32年度から、中学校は平成33年度から全面実施される。

 これまでの学習指導要領では、「何を学ぶか」を中心に示されてきた。前々回の改定ではゆとり教育として内容を減らし、前回は内容を増やした。今回は小学校の外国語教育の教科化により5、6年で35時間ずつ増加した。また、「どのように学ぶか」について、「主体的・対話的で深い学びの視点から学習過程の改善」を示している。そして、「何ができるようになるか」により、「新しい時代に必要となる資質・能力の育成と、学習評価の充実」を示した点が特徴となっている。この内容は、「生きて働く知識・技能の習得」「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力などの育成」「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性などの涵養」により実現させようとしている。

 そろばんに関しては、小学校3年及び4年の「数と計算」において扱われ、そろばんによる数の表し方、加法及び減法の計算の仕方について全員が学ぶことになった。これは珠算に関わる皆様方の地道な活動の成果であり、喜ばしいことといえる。しかし、それで満足していてよいのだろうか。

 国が進める施策の一つに「働き方改革」がある。時間外労働時間について、過労死ラインを超えている小学校の先生が約3割、中学校では約6割といわれている。そのため先生方の労働時間の削減は喫緊の課題である。その改善策の一つとして、学校と地域との連携の強化がある。これまでも小中学校は地域とともに活動してきてはいるが、各教科において地域のエキスパートが学校の教育活動を支援することで、さらなる連携の向上が図れる。

 こうした取り組みは、そろばん界では既に行われてはいるが、より深く連携が進む可能性がある。地域連携の推進役は学校長であり、各自治体の教育委員会が方向性を決め、支援していくことになる。そろばんを用いて技能の習得、論理的な思考力の向上、学びに向かう力の涵養ができる。これから各自治体で、エキスパート登録制度が普及すると思われる。そろばんを教育の手段として普及させるために、ぜひ手を挙げていただきたい。

※連盟機関紙「全国珠算新聞」第627号(2018.1)に掲載

謹賀新年 ~新年のご挨拶~ 

謹賀新年~新年のご挨拶~

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理事長 平上一孝

 明けましておめでとうございます。皆様にはご健勝にて新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。

 さて、昨年一年を振り返りますと、北九州を襲った大豪雨をはじめ、日本各地で自然災害が発生し、心を痛めた年でありました。被災された地域の皆様に心よりお見舞い申しあげます。

 10月には衆議院の解散総選挙が執行され、新内閣が決まりました。国民にとって安心安全な行財政運営を願わずにはいられません。

 連盟でも、新体制がスタートして4か月が経過しました。私たちは今、大きな時代の変革の中で生活し、様々な活動をしております。学校は、学習指導要領に従って、授業をはじめ、あらゆる教育を展開しており、その学習指導要領は10年に一度改訂され、小学校では2020年度から新学習指導要領により授業が行われます。今回の改訂を見ると、小学校5年生から英語教育が始まったり、論理的な思考力を育成するためにプログラミング教育が始まったり、これまでになかった教育が始まる一方で、そろばんは従来どおり3年生と4年生で取り扱うようになっており、現行の学習指導要領よりも、そろばん指導の記載について充実が図られています。まさに教育の中の不易流行といえるのではないかと思われます。

 年頭にあたり、改めて「そろばん教育の効果」を考えると、数の概念の理解、計算力・集中力のアップとなり、学力全体の向上や忍耐力等を与え人間力の育成に繋がるものです。その過程で、検定試験という目標を一つひとつ達成していくことで、学習者は自分に自信を持つという、自学力を育む教育を実践しているのであります。

 連盟の検定試験には・珠算検定・暗算検定・フラッシュ暗算検定・そろばん算数検定・算数チャレンジ検定等の制度があり、これらを上手に活用されて、さらなるそろばん教育の効果をあげてほしいと願うところです。

 また、連盟の重点施策の一つでもある小学校教育支援事業では、多くの会員が小学校へ出向きボランティアの授業をされており、まさに「地域に根ざした教育」と評価されており、会員の地道な活動に敬意を払うものであります。

 連盟の活力は、会員お一人お一人が、健康で活動することこそがその源であります。皆様からの建設的なご意見をお寄せください。

 本年も役職員一丸となって職務に励むことをお誓いし、新年のご挨拶といたします。