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‐日本そろばん資料館企画‐ 第3回歴史から学ぶ珠算講座開催 ~子供たちの目の色が変わるそろばん授業~ 

日本そろばん資料館企画
第3回歴史から学ぶ珠算講座開催 
~子供たちの目の色が変わるそろばん授業~

 10月2日、日本そろばん資料館において第3回歴史から学ぶ珠算講座が開催されました。
 午前中、谷賢治学芸員によって「そろばん授業に使える和算」、午後からは太田敏幸学芸員による「和算書に見る『目付字』」の講座があり、その後、資料館の見学も行われました。


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<午前の部>第一講座
「そろばん授業に使える和算」
谷賢治学芸員

 さまざまな方陣や数字について授業でも使用できる“ネタ”が紹介されました。

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【方陣】
 奇数方陣の作り方と偶数方陣の一例が示されました。子供にとっては暗算の練習問題にもなり、列や行の和を求めたり、発見する推理に発展するものです。

【数字】
 パネルで表記された6種類の数字(漢数字、算用数字2つ、ローマ数字、液晶で示された数字、点字の数字)の特徴について歴史的な変遷とともに触れられました。

【掛けて割れる算のこと】
 塵劫記に掲載されているこの章については、実際に÷2、÷5、÷25の問題の演算をかけ算で計算する練習を行いました。

◎受講者感想文
 単調になりやすい日々の授業に生徒たちに珠算の豆知識のネタをいただきました。方陣算は難しいですが、低学年生から中・高生までが挑戦できる教材であると思いました。


<午後の部>第二講座
「和算書に見る『目付字』」
太田敏幸学芸員

 江戸時代に和算書によって流行し、庶民がクイズとして楽しんだ目付字についての講義が行われました。

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 目付字には、大きな数などの文字が織り込んであり、自然にこれらの単位の名前と文字の定着が図られるという和算家の遊び心の産物です。当時の人々の知的好奇心に触れる機会にもなりました。

 また、講師は、和算書からのゲームに始まって2進数を利用した「数当てクイズ」に広げ、その仕組みについても説明されました。2の累乗にも関連があり、算数・数学的要素も含んでいるクイズでした。

◎受講者感想文
 初めて目付字というものを知りました。江戸時代からこのようなゲーム的な遊びがあったのだなと感心しました。そろばんの歴史も本当に楽しく学ぶことができました。あっという間の講習でした。


資料館見学

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◎受講者感想文
 色々な種類のそろばんを歴史的背景とともにご説明いただいてわかりやすく楽しかったです。


【過去の講座】
・第2回
・第1回

第10回全四国珠算研修会 

第10回全四国珠算研修会

 9月18日に高知サンライズホテルにおいて「全四国珠算研修会」を開催し、台風接近にも関わらず、60名が参加しました。

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 講師は茨城県支部会員・珠算教育研究所研究員の小沼光浩先生に依頼し、『「そろばんにかける思い」~理想の珠算教室をめざして~』の演題で実施しました。

 小沼先生の珠算人生をふりかえり、過去、現在、未来の三部作で構成。

 「算数を意識したそろばん指導」そして「先生が教えすぎず、子供が自分で考えてゆくチカラを養う」指導方針の提示がありました。

 また、筆算競技大会の実施や、数・単位にまつわる学習、数字のクイズの教材。そしてファイナンシャル・プランナーの資格も持つ小沼先生らしく、生徒の人生計画ライフプランのシート作成事例の紹介もあり、さまざまなモチベーションアップの実践方策がうかがえました。

 珠算・算数教育への情熱が受講者に伝わってきて、先生の経験とノウハウを四国会員に惜しみなく開示くださったことに、深く感謝の念を持つ研修会でした。

第4回教育座談会 ソロバンスタイルⅡ-私のオリジナル授業プラン- 

第4回教育座談会
ソロバンスタイルⅡ-私のオリジナル授業プラン-

 晩秋の紅葉色濃い、11月20日、連盟主催の第4回教育座談会が、「ソロバンスタイルⅡ―私のオリジナル授業プラン―」と題して東京事務局内において開催されました。


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 午後1時30分、前田珠樹珠算教育研究所主任研究員進行のもと、岡久泰大珠算教育研究所所長より座談会趣旨説明後、上野雄大氏(福井県)、小林英美氏(東京都)、山田功三氏(愛知県)の三氏によって、体験発表と意見交換が行われました。

 概要は下記のとおりです。


<上野雄大氏>

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 上野氏からは、ゲーム性を持たせた授業の様子や塾内大会などの様子が写真や動画で紹介された他、20年にわたり発行されている塾新聞「かわらばん」が提供されました。

 一部の生徒が目立つ新聞ではなく、一人ひとりの生徒に光をあてた編集方針から、生徒への深い愛情が感じられました。


<小林英美氏>

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 「教室を卒業してからが勝負」と、生徒たちに話しているという小林氏からは、子供たちが、将来「自立」できるための取り組みなどが紹介されました。
 
 その中でも、企画運営をすべて生徒にまかせているという夏合宿は、生徒たちの心を大きく成長させているようです。


<山田功三氏>

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 「楽しい練習」を心がけているという山田氏からは、幼児でも理解しやすい、動画を使った「5の合成分解」の指導など、オリジナリティーあふれる指導法が紹介されました。

 山田氏からは、営業一筋のサラリーマン時代の経験が、現在の教室運営や指導に、多いに活かされているという印象を受けました。



 三氏それぞれの人間性が授業の方針や指導に顕著にあらわれ、和やかな雰囲気の中にも、鋭い意見が交わされた座談会は、午後4時45分に無事終了しました。