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第61回全国珠算研究集会<講演> 

研究集会 講演


 全国珠算研究集会において、西郷隆盛の曾孫にあたる西郷隆文氏より、薩摩伝統の郷中(ごじゅう)教育についての講演がなされた。


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◆維新のリーダーを育んだ薩摩の「郷中教育」

1、人材育成の基礎となった「郷中教育」
 “国を守るのは城ではなく人である”豊臣秀吉が朝鮮出兵を行った際、薩摩の武士のほとんどが出兵してしまったため、残された青少年教育を行うことを目的に作られた組織で、鹿児島城下に36、地方に113の郷中があり、先輩が後輩を教え導き、質実剛健を旨とする実践教育であった。 

2、郷中教育のしくみ
 教えることは学ぶことという教育理念のもと、家庭教育以外のすべてを学び、6~10歳までを小稚児(こちご)。11~15歳までを長稚児(おせちご)。15歳~結婚するまでを二才(にせ)と呼ぶ。これらのリーダーを二才頭(にせがしら)といい、人徳・人望・指導力にたけた人物が選ばれた。
 小稚児は明け六つ(午前6時)から暮れ六つ(午後6時)まで、長稚児は五つ(午後8時)まで活動した。


3、薩摩のサムライ精神を育んだ「日新公いろは歌」
 「日新公」島津忠良は、神仏儒の三教に通じ、領内の家臣団の指導と教育の充実を図るため、その意義を理解し、覚えやすいよう、いろは四十八の順に読んだ歌だが、武士ばかりではなく、一般民衆や女性にも深く浸透して、人の道を説いた。「い」「と」「も」の3つは必ず唱えられていた。

4、切磋琢磨して育んだ武士道精神「郷中の教え」
 儒教思想のなか、日常生活のうえでの否や誠などの徳を修める人としての道を議論・討議を徹底したうえで、実践し究めることの大切さを学んだ。

5、武士に七芸
 剣・槍・長刀・弓・馬・水・柔術など武芸習得と体力作りを目指した。今でも登山や競泳などが伝統として残っている。
 「郷中教育」のまとめとして、小さいときから人としての道を徹底して教えられたので、10代・20代の頃には自分の生き方の方向性が定まっていて、社会や国のため、いかに役立つのかという目的意識が明確であったと思われる。


◆薩摩の女子道

1、薩摩における母の幼児に対する家庭教育
 郷中教育に入るまでの幼児教育・躾などのすべてを母親が行い尊重されていた。

2、女子の心構え
 男子は男子の、女子は女子の道を貫くことを幼児の時から徹底的に教え込ませること。 

3、女子(母)の役割
 子供を作りあげることが母の役割だったのではないか。子供が手柄を立てたときなどは母親が評価された。

◆薩摩焼について

 始まりは文禄・慶長の役の際に島津義弘が朝鮮人陶工を連れ帰ったことに始まり、400年の歴史がある。竪野系・龍門司系・苗代川系があり、1230度から1250度で焼き上げる伝統工芸品。
 1867年パリ万博に出品し、名を轟かせた。白薩摩は豪華・繊細な仕上がり。黒薩摩は庶民の生活の器として用いられている。
 最近は、窯の数も少なくなっていて後継者不足が悩みであるという。


第61回全国珠算研究集会開催<於:鹿児島県> 

研究集会
 
 日本列島を桜前線が北上する3月29日、鹿児島市で「第61回全国珠算研究集会」が、全国各地より510名が参集し、盛大に開催されました。
(主催 公益社団法人全国珠算教育連盟、後援 文部科学省・鹿児島県他)



1_2015042214414104a.jpg 生駒利夫副理事長の開会のことばに続き、国歌斉唱・全珠連歌斉唱の後、梶川眞秀理事長が,「我々珠算教育者は常に新時代にふさわしい指導を求め研鑽を重ねねばならない。本日の研究集会における講演や研究発表・プレゼンテーションを聴講し、今後の指導に役立てることを期待する」と、あいさつを述べました。
 
 続いて文部科学省初等中等教育局教科調査官・西村修一氏、鹿児島県教育庁高校教育課課長・月野功氏、衆議院議員・保岡興治氏が祝辞を述べ、来賓の紹介がありました。
IMG_0681_20150422144143d2f.jpg その後、開催担当の末吉郁雄鹿児島県支部長の歓迎あいさつ、有村治子・山谷えり子両大臣、中曽根弘文参議院議員からの祝電披露とすすみ、澤田悦子研修学教委員長より研究助成論文審査経過報告、神奈川県支部の安里利子先生に研究奨励賞授与も実施されました。


 午前11時より、いよいよ講演・研究発表・プレゼンテーションが始まりました。



□講演□ 
「薩摩の郷中教育と薩摩焼」
鹿児島県薩摩焼陶業協同組合理事長
西郷 隆文氏

講演-1
  明治維新の功労者・西郷隆盛の曾孫である鹿児島県薩摩焼陶業協同組合理事長・西郷隆文氏による講義。 
 6才から結婚まで先輩が後輩を教育するという薩摩独特の郷中(ごじゅう)教育の説明がなされ、教えることとは自らが学ぶことであると再認識させられました。




□研究発表□
「そろばん教室に通う気になる子供」
    ―発達障がい者への取り組み―
鹿児島県  
戸山 沙織氏

研究発表
 鹿児島県支部・戸山沙織氏より、「そろばん教室に通う気になる子供」というテーマで発達障がい者への取り組みが発表されました。
 生徒一人ひとりを大切にし、個に応じた指導のあり方をさらに研究する必要性を感じる発表でした。




□プレゼンテーション□
「算数チャレンジ検定について」
さんすう検定検討委員会
岡久 泰大委員長・小沼 光浩委員・前田 珠樹委員

プレゼン
 4月から始まった「算数チャレンジ検定」について詳細な説明がなされました。
 まず、岡久泰大委員長より趣旨説明があり、小沼光浩委員から実際の授業モデルの提案、前田珠樹委員からは問題の内容説明がされました。
 今後の珠算教育を考えるうえで重要な分野だけに興味深い発表でした。
 


 全ての予定が終了した午後4時、閉会式が行われ、澤田悦子研修学教委員長、次年度開催支部である愛知県・位田秀夫支部長のあいさつの後、平上一孝副理事長の閉会のことばをもって、今年度の研究集会は幕を閉じました。

※今後、講演・研究発表・プレゼンテーション、及び同会場において前日に開催された珠算指導者教養講座の詳しい内容を掲載していきます。ご期待ください。



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 ※会場の鹿児島市民文化ホールからは、桜島の雄大な姿を見ることができました。また、研究集会の前後に桜島の噴火回数が増えたこともあり、参加者には噴煙を上げる桜島の雄大な光景が印象に残ったことでしょう。


<珠算指導者講習会開催案内>群馬県支部 

指導者講習会開催案内
群馬県支部

1.演  題幼児指導から高段位の指導まで
  
2.講  師:宮城 忍人(全珠連会員)
  
3.日  時:平成27年5月24日(日) 
      10時30分~12時


4.会  場:群馬県前橋市荒牧町2-12
       群馬県青少年会館
       

5.受 講 料:5,000円(全珠連会員3,000円)
    
6.応募締切:平成27年4月26日(日)

7.申 込 先:(公社)全国珠算教育連盟群馬県支部
      TEL 027-362-2175
      FAX 027-362-5957

珠算指導者講習会開催案内<福井県支部> 

指導者講習会開催案内
福井県支部

1.演  題授業を楽しくさせる教材大作戦 ほか
  
2.講  師:平瀬 重雄(全珠連会員)
  
3.日  時:平成27年4月29日(水・祝) 
      13時30分~16時


4.会  場:福井県福井市高木1丁目1001-1
       全珠連福井県支部会館 2階ホール
       

5.受 講 料:1,000円(当日支払)
    
6.応募締切:平成27年4月15日(水)

7.申 込 先:(公社)全国珠算教育連盟福井県支部
      担当 田島 寿
      TEL 0776-53-1250
      FAX 0776-53-3020


8.申込方法:電話及びFAXにて

9.問 合 先:(公社)全国珠算教育連盟福井県支部
      担当 田島 寿       
      TEL 0776-53-1250
      FAX 0776-53-3020