四国・愛媛県で初の開催!平成18年度全日本珠算選手権大会 

四国・愛媛県で初の開催
平成18年度全日本珠算選手権大会

松山市・愛媛県武道館でそろばん日本一を
目指して熱い戦い


 そろばん日本一に 土屋 宏明選手(宮城県)

 8月8日「そろばんの日」、全国からそろばんを学ぶ小学生から社会人まで約440名が集まり、松山市・愛媛県武道館で開催された18年度全日本珠算選手権大会に臨んだ。
 社団法人全国珠算教育連盟主催による、この夏のイベントは四国で2回目、愛媛県では初の開催。さらに、当地・松山市は「坊っちゃん生誕百年」で盛り上がる記念の年の開催とあって、地域の応援も熱が入り、個人総合競技ほかで、熱戦が展開された。
 結果、個人総合競技優勝(そろばん日本一)には、土屋宏明選手(宮城県・三連覇)が輝いた。また、都道府県対抗競技では、北海道・道央チームが優勝に輝いた。
 また、当日は、はるばるハワイと韓国から選手が参加し、大会に花を添えた。

愛媛で初開催・愛媛県武道館

※愛媛で初開催・愛媛県武道館

地元愛媛の河野翔太選手の選手宣誓

※地元愛媛の河野翔太選手の選手宣誓

 主な成績は次のとおり。(選手の敬称略)

個人総合競技優勝(そろばん日本一)
 土屋 宏明(宮城県) 1,500点

都道府県対抗競技優勝
 道央チーム(横井 稔之・中座 寿規・若松 尚弘)

種目別読上暗算競技優勝
 波多野 真将(京都府)

種目別読上算競技優勝
 土屋 宏明(宮城県)

フラッシュ暗算競技優勝
 伊藤 由夏(広島県) 3桁20口2.5秒

小学生優秀選手

 木塚 祐太(東京都) 高倉佑一朗(千葉県)
 桝田香代子(石川県) 玉那覇有亮(沖縄県)
 岩田 雅樹(東京都) 砂  達哉(石川県)
 高橋  菫(千葉県) 小山 素佳(愛知県)
 工藤 駿哉(青森県) 山入端柚杏(沖縄県)


目指すは未来の日本一・小学生優秀選手1

※目指すは未来の日本一・小学生優秀選手1

目指すは未来の日本一・小学生優秀選手2

※目指すは未来の日本一・小学生優秀選手2

愛媛の「珠の夏」に輝く選手たち 

愛媛の「珠の夏」に輝く選手たち
平成18年度全日本珠算選手権大会レポート

 柔道の山下泰裕氏が名誉館長を務める愛媛県武道館で開催された平成18年度全日本珠算選手権大会は土屋宏明選手(宮城県)の三連覇で幕を閉じた。
 役員・選手ともに施設のすばらしさに感嘆した大会であった。城郭を彷彿させる重厚感と近代的な明るさを両立させ、木材や石などの自然素材を強調した建物は菊間瓦、大島石、砥部焼、杉の無垢材等愛媛県の県産品を使用し、中庭の大鬼瓦は圧巻であった。
 愛媛県が世界に誇る会場で、各選手が日頃の実力を発揮し、伯仲した大会であった。中でも、開催県・愛媛県から100名の選手が参加し、奮闘した。
 今回の日本一ほか優勝者と、未来の日本一を目指す選手たちの声を拾ってみた。

満点で三連覇 そろばん日本一(個人総合競技優勝) 
読上算競技 優勝

  土屋 宏明選手(宮城)
  (初出場は高校2年生で、4回目の出場。)


満点で三連覇!個人総合競技&読上算競技 優勝 土屋宏明選手(宮城県)


◆自分の力を出し切ることができて、うれしいです。無事獲得できて、本当にホッとしております。1日2時間半程度練習しています。来年度は、また、新たな気持ちで狙いたいと思います。
読上算は優勝できるとは思っておりませんでしたので、うれしい気持ちと同時にビックリです。

読上暗算競技優勝
  波多野 真将選手(京都)
  (初出場は1989年で13回目の出場。)

 
読上暗算競技 優勝 波多野真将選手(京都府)


◆優勝ができてうれしいです。
練習は1日4時間ぐらい。総合競技では負けたので、来年こそは日本一を目指します。

フラッシュ暗算競技優勝
  伊藤 由夏選手(広島)
  (初出場は平成5年度・中学3年生の時で14回目の出場。)


フラッシュ暗算競技 優勝 伊藤由夏選手(広島県)


◆すごくうれしいです。2.4秒の壁が越えられず、2.5秒に戻った時は一瞬、昨年のことを思い出し、弱い自分が出てきそうになりましたが、あきらめずに集中でき、結果もついてきて、本当に良かったです。
 とても綺麗な会場で競技ができて、感謝の気持ちでいっぱいです。自分自身の総合競技の点数は満足できるものではありませんでしたが、全国の素晴らしい選手の演技を見ることができて、今年も全日本大会に出場できたことをうれしく思います。
来年度は地元での開催なのでより一層努力し、当日を迎えたいと思います。

都道府県対抗競技優勝
  道央チーム(横井 稔之選手・中座 寿規選手・若松 尚弘選手)
   3人合わせて珠算28段・暗算30段


都道府県対抗競技 優勝 道央チーム


◆とてもうれしいです。一応、優勝を目指して練習していたのですが、まさか本当にできるとは思っていませんでした。予選で6点しか取れなくて、9チーム中9位で通過したので、(決勝まで進めて、優勝できて)喜びもひとしおでした。
 また、誰かが間違えた時、常に他の2人が正解していて、とても頼れるチームでした。3人そろっての練習は、2日前から予選の問題を10回以上、決勝の練習を各種目3回程度行いました。
 真夏の愛媛なので、本当に暑かったのですが、会場も素晴らしく、天気にも恵まれ、最高の大会でした。大会自体のレベルも非常に高く、来年は更に上がることが予想されるので、私も道央チームも、もっともっと練習して連覇できるよう頑張ります。

チビッ子優秀選手

最年少でも実力者・柴田選手(左)と宮本選手


最年少でも実力者・柴田選手(左)と宮本選手

宮本 理香子選手(小学校2年生8歳・東京)
 珠算五段 ・ 暗算十段  得点710点

◆そろばんを始めたのは3歳くらい。そろばんは大好きです。1日5時間くらい練習します(月曜から金曜)。大会前には家でも練習します。好きなのは、フラッシュ暗算。とても楽しかったです。
大きくなったら、そろばんの先生になりたいです。
(この間、テレビに出たときの感想は、の質問に)「楽しかったです」。

柴田 詩帆選手(小学校2年生8歳・滋賀)
 珠算弐段 ・ 暗算参段  得点445点

◆4歳からそろばんを始めました。好きなのはフラッシュ暗算です。練習は1日2時間ぐらい。水曜日以外教室か家でやってます。そろばんは大好きです。とても緊張しました。(大きくなったら何になりたいですかの質問に)「日本一になりたいです」。

海外優秀選手

ハワイから2名、韓国から1名が参加。左からオオシマ選手、ミン選手、オカムラ選手


ハワイから2名、韓国から1名が参加。
左からオオシマ選手、ミン選手、オカムラ選手


Emile Oshima選手(小学校6年生・11歳)
 珠算九段 ・ 暗算九段  得点930点

◆そろばんは6歳からやっています。わり算が大好きです。1日3時間くらい練習します。いつもより点数が悪かったので、もっと頑張りたかったです。

日数教全国研究大会 

算数・数学の教師もナットク そろばん教育の有用性

日数教全国研究大会でそろばんの
研究発表とポスターセッション


知的障害児の学習に寄与 
幼稚園・小学校部会での研修発表


 日本数学教育学会主催による第88回全国算数・数学教育研究(東京)大会が7月31日、8月1日の両日、東京学芸大学附属小金井小学校ほかで開かれた。
 今年のテーマは「これからの社会・文化・人間から算数・数学を考える」。期間中、31日の幼稚園・小学校部会では、渡辺郁子氏(千葉県長生村立八積小学校教諭)と中島えいこ氏(全珠連千葉県支部)による「計数型そろばんによる知的障害児の算数指導」と題した研究発表が行われ、知的障害学級でのそろばん指導の実践内容が報告された。

知的障害児の学習に寄与するそろばん学習=東京学芸大学付属小金井小学校

※知的障害児の学習に寄与するそろばん学習=東京学芸大学付属小金井小学校

そろばん技能が算数科の計算領域と合致

 「そろばんの指導では10の合成分解等で集中して取り組めるようになり、児童が“分かる喜び”“できる自分”を実感し、“できない、分からない”と下を向いてしまう学習でなく、“分かったから次の段階へ”という前向きの学習態度が身に付き、学習意欲が高まった」との発表があった。
 また、「小学校教諭がそろばん講師と連携を組むことによって、計算の便利な道具としての『そろばん』の操作技能が一人歩きするのではなく、算数科の計算領域と合致して両輪となって知的障害児の学習に合わせて進むことができた」との感想が述べられた。
 発表後、指導助言者の3氏による総評がなされたが、「数十年ぶりに感動した発表だった」と最大の賛辞が送られた。
 また、「教育の本来の目的である児童が〝自信を持つ〝ことを見事に実践した発表だった。現在の教育者は量を増やすことで基礎学力を付けさせようとするが、発表の中にあった〝理解できれば量ではない〝という言葉に改めて教育の質の問題を考えさせられた」と感嘆の声が相次いだ。
 そろばんの有効性をアピールした両氏の研究発表に会場の参加者から惜しみない拍手が送られ、研究発表が終わった。

注目を集めたそろばんの研究発表

※注目を集めたそろばんの研究発表

計数型そろばんの実例説明。渡辺氏(右)と中島氏。

※計数型そろばんの実例説明。渡辺氏(右)と中島氏。

『発見することを育む』事例が紹介
全珠連珠算教育研究所・算数教具研究会の
ポスターセッション


 8月1日には、全珠連珠算教育研究所・算数教具研究会によるポスターセッションが実施された。
テーマは「発見する喜びを育むそろばん授業の実践―思考力や表現力を高める指導を目指して―」。
 ハンガリーで行われていたそろばんを利用した算数授業から、「そろばんの玉3個を使って2桁までの数を作ろう」をテーマに発表があった。
 このたった一つの課題の中に多くの学習メニューが含まれていることを解説。まず児童が数を作り、できた数同士の関係を見つける等、発見する喜びを育む事例が紹介された。  
 当日、来場の先生には、厚紙で作ったそろばん玉と2桁のそろばんが描かれたワークシートが配られ、先生方が実際に2桁の数を作るところから体験できるようになっていた。 
 また、2001年からの連続発表である「数のしくみをよりよく理解する学習はどうすればよいか(6年次)―あなたも自分のそろばんを作ってみませんか!―」では、児童による手作りのそろばんについての発表が行われた。
 ここでは、来場者が自分でそろばんを作ることを体験し、算数科での「そろばんづくり」の指導案が提案された。
 そろばんの教具としての有効性を十分にアピールできた2日間が終了した。

参加者がそろばんづくりに挑戦。ポスターセッション会場

※参加者がそろばんづくりに挑戦。ポスターセッション会場

教具としての有用性を大いにアピール

※教具としての有用性を大いにアピール

東北七県珠算競技大会 

地元・福島勢健闘 東北七県珠算競技大会

 東北六県と新潟県から予選通過の小・中学生選手約250名が参加する東北七県珠算競技大会が7月27日午前9時から福島市飯坂温泉「ホテル聚楽」を会場に実施された。
 全珠連東北ブロック主催(担当・福島県支部)によるこの大会は今回で34回目。選手は小学校4年生以下、5・6年生、中学生の3部門に分かれて、種目別読上暗算・読上算、個人総合競技・団体競技の各競技で、日ごろ鍛えたそろばんの技を競い合った。

総勢250名の小・中学生が参加

※総勢250名の小・中学生が参加

日頃の成果を試す1日

※日頃の成果を試す1日

保護者も一緒 そろばんでコミュニケーション 

群馬県で保護者参加の大会・
神奈川県で保護者も一緒に表彰式


 「主役は子どもたち、しかし、保護者も子どもたちを支える大事な役割」群馬県では保護者が参加したそろばん大会が、また、神奈川県では保護者への表彰がそろばん優秀生徒たちと一緒に行われた。

世代を重ねて 歴史をはじく
群馬「2世代3世代そろってそろばん大会」


 7月2日、群馬県支部伊勢崎地区主催による「2世代3世代そろってそろばん大会」が伊勢崎市の上武大学で開催された。
 今回で2回目となるこの催しには小学生から60代までの98名が参加、そろばんを通して家族間、世代間のコミュニケーションが図られた。
 競技は、「子ども・父(母)・祖父(祖母)」の3人が1つのチームとなる「3世代の部」、子ども・父(母)が1つのチームとなる「2世代で子ども2人の部」、「2世代で子ども1人の部」の3部門。それぞれが、見取算と読上暗算の合計点で順位を競い合った。
 久しぶりにそろばんに触れたという、おじいちゃん、おばあちゃんも競技が進むうちに、次第に熱が入り、そろばんに向かう姿も、なかなか堂に入った様子であった。

世代間を越えてみんなでそろばんコミュニケーション。3世代そろってそろばん大会=群馬県伊勢崎地区

※世代間を越えてみんなでそろばんコミュニケーション。
 3世代そろってそろばん大会=群馬県伊勢崎地区

コミュニケーションを大事にして、競技開始。

※コミュニケーションを大事にして、競技開始。

こちらは2世代の部。お父さん、しっかり!

※こちらは2世代の部。お父さん、しっかり!


保護者も一緒に 500名を越える表彰者
神奈川県第64回珠算優良児童・生徒表彰式

勇壮な和太鼓演奏で祝福!

 6月4日、神奈川県横浜市にある保土ヶ谷公会堂で神奈川県支部による第64回優良児童・生徒表彰式が盛大に挙行された。
 第1部の式典は加藤延子委員長の開会の言葉で定刻12時30分に開始され、及川正巳支部長の主催者挨拶があった。
 続く来賓祝辞では、神奈川県教育局子ども教育支援課長・神原聡氏、全国珠算教育連盟副理事長・村上次雄氏からメッセージが受賞者に送られた。
 今回の受賞者は252名の児童・生徒と、その保護者。壇上に上がった受賞者一人ひとりに、記念の盾と表彰状が渡された。
 第2部では、昨年に続いて横浜商科大学高等学校和太鼓部による和太鼓演奏が披露され、若さあふれる、すばらしい演奏に会場から拍手が鳴り止まなかった。 
 続いて、お楽しみ抽選会。支部長賞(図書券・2名)に始まり、食事券、お米、梅干、おもちゃ、文房具ほか多彩な品々が10社をこえる企業から提供され、表彰を受けた児童・生徒・保護者だけでなく、付き添いの家族にも全員、空クジなしで配られ、大好評を博した。 
 終了後に、地区ごとに記念写真が撮られ、受賞者は帰路に着いた。なお、当日は、500名をこえる大規模な式典にもかかわらず、各担当の会員の一致協力によって、スムーズに進行され、定刻に終了となった。

保護者も同時に祝福。神奈川県の第64回優良生徒・保護者表彰式典=横浜市・保土ヶ谷公会堂

※保護者も同時に祝福。
 神奈川県の第64回優良生徒・保護者表彰式典=横浜市・保土ヶ谷公会堂

小学校での珠算授業活発に 

立命館小学校「フラッシュ暗算」授業導入
 年に105時間


 5月15日付の朝日新聞は、陰山英男氏が副校長を務める京都・立命館小学校で、今年4月からフラッシュ暗算を利用した授業が実施中、と報じた。
 それによると、2年生で年間105時間が設定され、4年生までに3桁の暗算ができるようにすることが目標。陰山氏が今年3月まで校長を務めていた広島県尾道市立土同小学校では、そろばんを1年生から授業に導入しており、その効用は実証済み。
 今回のフラッシュ暗算導入は、神奈川県の神林そろあん教室の生徒が「4桁の暗算をしながら、陰山氏の話に答えるということに刺激を受けた」として、そのときに「いくつものことを同時に行う能力が身に付いていた」という驚きがきっかけとなった、とコメントしている。
 陰山氏は、「小学校におけるそろばん教育の効果」について先般4月に実施された全珠連関東ブロック珠算指導者講習会の際、効用の第一は「脳の活性化」を挙げ、さらに低学年においては「百ます計算」に匹敵する効果が期待できる、と話している。
 また、同紙では全珠連が実施しているフラッシュ暗算検定試験のことにも触れている。

小学校のそろばん授業に一役。フラッシュ暗算

※小学校のそろばん授業に一役。フラッシュ暗算

群馬県藤岡市でそろばん授業
 テレビで紹介


 和算の大家である関孝和先生を生んだ地、群馬県藤岡市。市教育委員会では、「地元の偉人・未来の関孝和先生育成」のために今年4月から市内の小学校においてクラブ活動等を通じ、児童がそろばんにふれる機会をふやす試みを始めた。
 児童にそろばんに習熟してもらう中で、上を目指す児童はそろばん塾へ、さらに地元が毎年11月3日に開催する関孝和先生顕彰全日本珠算競技大会への参加、と将来を見据えた「そろばんプロジェクト」が展開されている。
 その取り組みが6月16日(金)NHK総合テレビ「ゆうどきネット」(午後5時10分~6時)で、地域の話題として取り上げられた。
 番組では、同市立小野小学校4年生のそろばん授業にカメラが入り、4月から週2回の総合学習の時間を利用して児童がそろばんに触れる様子が紹介された。
 目標は、学年が上がるまでに3桁の暗算ができるようになることとし、全珠連群馬県支部会員が児童へのそろばん指導に協力した。

宮城で外国人留学生へのそろばん指導 

6回の講習と課外研修 
仙台市北山国際交流講座


 宮城県仙台市北山市民センター(青葉区)の主催事業「北山国際交流講座」で、吉田純一全珠連宮城県支部長、若生修吾同支部競技部長の両名がそろばん講座を担当、全7回が無事終了し、その様子が届いた。以下は吉田支部長の報告である。

意欲的な学習態度に感心
 「外国人対象ボランティア指導」

       宮城県支部長 吉田 純一


 日本の伝統文化を享受し、日本への理解を深めてもらい、文化交流の輪を広げて地域との連帯促進を図ることを目的に開催することになった北山国際交流講座。「そろばん編」の講師依頼を受けて、私と競技部長の若生氏の両名で講座を担当した。当初、募集対象者は仙台市内在住の外国人留学生であったが、申込者が少なかったため、年齢を問わないで再度募集したところ、計12名の申し込みとなった。

そろばんを通じて日本文化の理解を。講師の若生修吾氏。

※そろばんを通じて日本文化の理解を。講師の若生修吾氏。

四か国、12名が参加

 出身国の内訳はバングラディシュ、インドネシア、ネパール、コロンビアの四か国で、大人7名、小学生4名、幼児1名である。
ことばが通じるか、九九は大丈夫か、教材は?授業の組み立て方は?など、不安な点は多々あったが、外国人にそろばんを知ってもらう絶好の機会と捉え、気楽に出向した。
 実技指導6回、校外研修1回が設定された。2日目に都合で来れなくなった大人2名がいて、先行きが案じられたが、何とか最終日まで持ちこたえた。

パソコンに表示された暗算にトライする受講生たち。

※パソコンに表示された暗算にトライする受講生たち。

そろばんで日本文化理解に一役。受講生と共に=北山国際交流講座「そろばん編」

※そろばんで日本文化理解に一役。
 受講生と共に=北山国際交流講座「そろばん編」

最終日、みちのくそろばん博物館見学

 日本人は時間を守る人種なのか、外国人がアバウトなのか、毎週土曜日の開始時間午後2時に受講生が揃っていたことはなかった。(1人も来ていないときもあり、驚き。)
 そういう状況で、いつも10分程度は遅れて授業開始。しかし、学習態度は真剣で意欲的であった。おおむね理解しながら学習できたと思う。
最終日には、市内青葉区のみちのくそろばん博物館(館長・石川敬氏・宮城県支部)見学が行われた。
 珍しいそろばん、お気に入りのそろばん、そろばんグッズ等に見入っている人、手にとって感触を楽しんでいる人、古そろばんの使い方を質問する人など、陳列されている各種そろばんに大きな関心を寄せていた。
 講座の締めとして、この博物館を訪問したことの意義は大きかったと感じた。講座の概要は次のとおり。

日程 5月13日(土)~6月24日(土)までの各土曜日午後2時~3時30分
会場 北山市民センター(仙台市青葉区)
    みちのくそろばん博物館(仙台市青葉区)
準備品 指導用大そろばん・貸出用そろばん十四丁・テキスト
      掲示物「10のともだち表」・九九練習問題・そろばんの歴史年表
      暗算導入イメージカード・ガイドオブ全珠連・ノートパソコン
      プリント問題・履修証書

『スケジュール』
 第1回(5/13)
  自己紹介、そろばん各部の名称、位・数の読み方、指の使い方、
  数の置き払い、簡単な1桁・2桁の計算 
 第2回(5/20)
  10の合成・分解、そろばんの歴史
 第3回(5/27)
  5の合成・分解、読上算、検定試験について
 第4回(6/3)
  10と5の合成分解混合問題
 第5回(6/10)
  50や100を使う計算、そろばんをイメージした暗算、読上暗算、
  かけ算の計算(2桁×1桁、3桁×1桁)
 第6回(6/17)
  かけ算の計算(2桁×2桁)、おつりの計算、最大公約数、
  最小公倍数をそろばんで計算、日本及び宮城県の珠算事情について、
  記念撮影
 第7回(6/24)
  履修証書交付、そろばん博物館見学

最終日の校外研修はみちのくそろばん博物館(石川敬氏・宮城県支部)の見学。珍しいそろばんの品々にオドロキ。

※最終日の校外研修はみちのくそろばん博物館(石川敬氏・宮城県支部)の見学。
 珍しいそろばんの品々にオドロキ。

合計7回の講習を無事終了。吉田支部長から履修証書を受けるカリムさん。(小5)

※合計7回の講習を無事終了。吉田支部長から履修証書を受けるカリムさん。(小5)

お城でそろばんデモンストレーション 

新・海外珠算教育事情5 イギリス  
          
マルカリアン君枝氏のおたより
お城でそろばんデモンストレーション
  5月23~25日 マッサムの日本文化祭


 イギリスを中心に精力的に欧州でそろばん普及活動に努めるマルカリアン君枝氏(写真)。3月、来日の際にインタビューを試みた。そして、帰国後のそろばんデモの様子を伝えてもらった。

イギリスで活躍中のマルカリアン君枝氏

※イギリスで活躍中のマルカリアン君枝氏

 昨年11月、なだらかな丘陵地が続くイギリス・北部ヨークシャーのマッサムというところに、京都から舞妓さんを呼んで、日本文化のイベントを企画している。そこで、それを中心に日本の文化を紹介したいから、私にも参加するつもりはないか、とのお誘いがありました。
以前から風光明媚な新緑の5月のヨークシャーに一度訪れてみたいと思っていました。 
 また、最近、数学教師協会からそろばんの英文入門書が出版されたものの、一般の人に紹介するチャンスには恵まれていませんので、「ほかにも盆栽、合気道、折り紙,墨絵、凧揚げ、囲碁、寿司の紹介と日本家具や着物の展示即売もある」と言われ、ともかく参加してみることにしました。

マッサムの日本文化祭でそろばんを紹介

※マッサムの日本文化祭でそろばんを紹介

6つの学校の児童がそろばんを体験

 会場は人里離れた丘陵地に建つお城。一般の人がどのぐらい来るでしょうか。しかも、そろばんのことなど知りません。そこで主催者にそろばんの資料を送り、近郊の学校へ働きかけてくれるよう依頼しました。
その成果があって、6つの学校の児童がスクールバスで参加、午前と午後に分かれてそろばんを体験しました。

6つの学校から児童が参加。そろばんに興味津々

※6つの学校から児童が参加。そろばんに興味津々

そろばん会場 開設

 そろばん会場はお城の庭に張られたテントの中。私の手持ちのそろばんが30丁のため、10人座れる大きな丸いテーブル3つが用意されました。
 6つの学校は、全校生徒が27人の小さな村の小学校から、バスで1時間かかったという中学校、私立の優秀な子どもばかりの小学校、そして特殊学校とバラエティーに富んで、それぞれに楽しんでいただけたことでしょう。

特殊学校の先生が生徒の反応に驚く

 今回は特殊学校の付き添いで来られた先生方の反応が印象的でした。
「ほら、見て。あの子は、普段、数学の時間は全くノッてこない子ですが、今日は熱中していますよ」と言って、先生がとても興奮していたのです。
 今回も子どもたちのキラキラとした反応と丁寧にお礼を言って帰られる先生方の反応を思い出すと、体は長距離ドライブの疲れが出ていますが、「やはり参加してよかった」と思いました。
 主催者から、協力への御礼の挨拶と「来年はもっと良い環境を作るので参加をしてほしい」と言ってきました。
次回も楽しみです。

引率の教諭に説明。そろばんの教育的役割にナットク。

※引率の教諭に説明。そろばんの教育的役割にナットク。

初めて見る日本のアバカス(そろばん)に注目する大人たち。

※初めて見る日本のアバカス(そろばん)に注目する大人たち。

マルカリアン君枝先生へのインタビュー
  2006.3.27 第52回珠算研究集会(長野)にて


1.イギリスでの珠算普及活動はいつごろから?
 ◎1970年(昭和45年)頃からですね。

2.珠算人口は? 
 ◎まだまだ日本に伝えられているほど、実際は多くはないですよ。

3.小学校での珠算普及活動は?
 ◎1993年から1999年まで、週1回くらいの割合で実施していました。

4.イギリスでの苦労話を。
 ◎子どもたちはかけ算九九を知りません。
 ◎数の読み方も「十進位取り記数法」とは合致しません。
  だからこそ、そろばん指導は役に立つのです。

5.イギリスでのそろばん教育の展望を。
 ◎暗算を広めたい。
 ◎かけ算の計算を早い段階で教えてみたい。
 ◎22+35+10の計算は、そろばんではひとつの67になる。
 ◎日本の伝統文化「そろばん」として広めていくことが大切。
  そのためには「外国にある日本文化団体」へのアクションが今後、重要。

インタビュー中の君枝氏の瞳は、若者のように輝いていたのが印象的でした。今後とも先生の海外での活躍をみんなで応援しています。