平成27年度全日本珠算選手権大会
8月8日(そろばんの日)、国立京都国際会館において「平成27年度全日本珠算選手権大会」が開催された。
当日は全国から563名もの選手たちが集結し、熱戦を繰り広げた。
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<個人総合競技>そろばん日本一決定戦

個人総合競技では、かけ算・わり算・見取算・かけ暗算・わり暗算・見取暗算の計6種目を行い、その合計得点(1,500点満点)を競う。この競技での優勝者がその年の
「そろばん日本一」の称号を手にすることになる。

「始め!」の合図で一斉に競技を開始する選手たち。
研ぎ澄まされた集中力と静かな気迫につつみこまれた会場で聞こえてくるのは軽快この上ないそろばんをはじく音。

指先に目をやれば流れるような美しい動きで一切の無駄なく問題を解いていく。「やめ!」の合図がかかり、空気が弛緩してはじめて自分が競技に魅入っていたことに気づかされた。
競技は着々と進行し、上位者が出そろった。その中で、今年も2名の満点獲得者がおり、同点決勝が行われることとなった。

同点決勝に進んだ1人目はこれまで6度のそろばん日本一に輝き、昨年は史上最多となる7度目の優勝が予想されながら同点決勝に進めなかった土屋宏明選手(宮城県)。

もう1人は昨年同点決勝に進みながら惜しくもそろばん日本一を逃した原子弘務選手(東京都)。
奇しくも「今年こそは」とリベンジに燃えているであろう両雄が相対することとなった。

第1種目の暗算では土屋選手が原子選手に5秒以上の差をつけ計算を終えた。得点は土屋選手が75点満点中75点。原子選手が70点で、この時点では得点・速さともに土屋選手が上回った。つづく珠算では原子選手が先に計算終了。土屋選手は制限時間いっぱいまで計算をし、確実に得点を取る作戦に出た。結果は土屋・原子選手ともに150点満点。
これをもって、土屋選手が1年ぶりにそろばん日本一に輝き、史上最多7度目の優勝という快挙を達成した。

優勝者インタビューでは「うれしいの一言です」と率直な気持ちを述べ、また敗れた原子選手に対して「これからも伸びてくる選手だと思うのでお互いに精進していきたい」とライバルをたたえた。
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<小学生そろばん日本一>


個人総合競技の順位のうち、小学生のみの順位に絞って決定する「小学生そろばん日本一」では磯貝勇誠選手(京都府)がその栄誉を手にした。
≫小学生そろばん日本一表彰のもようはこちらから
<フラッシュ暗算競技>

個人総合競技に先立ち、フラッシュ暗算競技が行われた。この競技は画面に次々に表示される3桁の数字を計算していくもので、予選は徐々に問題の難易度をあげていき、正答者が10名程度に絞られた時点で決勝戦へと移る。

予選を勝ち抜き、入賞した8名の記録は3桁15口1.98秒。この時点で2秒を切るというハイレベルな展開。
3桁15口(以後、秒数のみ表記)
決勝戦では、徐々に正答者が絞られていく中、1.85秒でとうとう2名にまで絞られた。その後はこの2名による大接戦が展開された。
1.80秒 → 2名とも正答。
1.75秒 → 2名とも解答できず。
1.76秒 → 1名記入するが正答せず。
1.77秒 → 2名とも解答できず。
1.78秒 → 2名とも正答。

なかなか決着がつかない中、再度1.78秒が行われたところ、浅野貴広選手(道央)のみが正答し、フラッシュ暗算競技を制した。
また、おしくも2位となった眞田美歩選手も同じく道央からの出場で、道央勢が上位を独占した。
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<読上暗算競技>

この競技は読み手が問題を読上げ、選手がそれを暗算で計算していくものである。

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<読上算競技>

この競技は読み手が問題を読上げ、選手がそれをそろばんで計算していくもの。しかし、読上げられる問題のスピードは読上暗算競技のそれとはまるで違う。

読上暗算同様、高難度の問題から出題され、正答者が出るまで徐々に難易度を下げていく。第1問目(7~16桁・加減算)では正答者が出ず、つづく第2問目(7~16桁・加算)において北村瑠菜選手(千葉県)がただ一人正答し、優勝を決めた。
≫読上算競技のもようはこちらから
<都道府県対抗競技>

この種目は各都道府県から小学生・中学生・高校一般から1名ずつが選出され、団体戦を行うもの。今年は愛知県・兵庫県・沖縄県チームが決勝にすすんだ。

決勝のルールはかけ算・わり算・見取算から各チームからの希望により種目が選択され、勝敗は正答かつ計算終了の挙手が早い順位よって得点がわりふられ、決定する。

まず最初に選択されたのはかけ算。この種目では沖縄県チームの3名が先に計算を終えた。注目の採点結果も沖縄県が3名とも正答。一歩リードしたかたちとなった。

つづいて選択されたのは見取算。この種目では兵庫県チームが先に3名とも計算を終えた。だが、沖縄県チームも負けてはいない。勝敗は採点結果を待つこととなった。

結果は沖縄県チームが3名とも正答。兵庫県チームはおしくも1人が不正答であった。
これをもって沖縄県チームの優勝が決まり、メンバーは決勝が行われたステージ上で喜びを分かち合った。
≫都道府県対抗競技のもようはこちらから
熱戦が繰り広げられた平成27年度全日本珠算選手権大会もこれにて終了。
この後は表彰式と閉会式がとり行われた。
また来年、更なる進化を遂げた選手たちに会えることを楽しみに、大会はこれからも続いていく。
≫表彰式・閉会式のもようはこちらから
<フォト・ギャラリー>
大会に参加した選手たちや応援者の1日。
※クリックすると拡大されます。






























≫大会成績表はこちらから
- [2015/08/11 16:15]
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平成26年度全日本珠算選手権大会を振り返って
『波乱・接戦・新王者』
平成26年度全日本珠算選手権大会
今年度の全日本珠算選手権大会も「激闘の記憶」と「次年度への期待」を残して閉幕しました。
本ブログでは速報ではお伝えきれなかった全日本大会での珠算選手たちの熱い1日をご紹介します。
◆フラッシュ暗算競技
全日本大会の最初の種目がフラッシュ暗算競技。この競技は間違えた時点で競技終了の「一算落とし」というルール。3桁15口4秒の問題からスタートし、徐々に選手が絞られていきます。 競技はどんどん進行し、2.0秒まで連続正答の5名が入賞確定。その後、決勝席に移動し、日本一を賭けた勝負に入りました。
1.95秒は5名とも正答、続く1.9秒で5位が確定し、残り4名の勝負となります。そして1.85秒、新名哲也選手(大阪府)のみ正答し、大ベテランが全日本大会での念願の初タイトルを獲得しました。
◆個人総合競技
「始め!」の合図と共に全日本独特の空気に包まれる会場。聞こえてくるのは軽快なそろばんを弾く音と答えを書く音のみ。珠算の頂点を狙う選手たちの気迫が会場全体を包み込み、ピーンと張り詰めた緊張感の中、淡々と競技は進行しました。
競技が終了し採点が行われた結果、堀内選手(千葉県)、原子選手(東京都)の2名が見事満点を獲得!
すぐにステージ上で両名による同点決勝が行われました。
まず最初の暗算種目では堀内選手、原子選手の順に計算終了。
採点の結果、両選手ともに満点の75点。この時点で計算タイムの速かった堀内選手が一歩リード!
続く珠算種目も堀内選手、原子選手の順に計算終了し、両選手とも静かに結果を待ちます。
まず原子選手の得点が140点と発表され、合計は215点。しかし、この時点では勝負の行方はまだ判りません。
堀内選手の得点発表を待ち、会場全体が固唾を飲みました。
そして「堀内選手、150点、合計225点。よって本年度のそろばん日本一は堀内選手に決定しました。」と発表されると、会場全体に拍手と歓声が鳴り響きました!
その後の表彰式では栄光の優勝旗を掲げ、素晴らしい笑顔を見せてくれました!
また、優勝した喜びと達成感を壇上で誇らしく語ってくれました!
◆読上暗算競技
この種目は高難易度の問題からスタートし、誰が最初に正答出来るかを競います。(正答者がいない場合は徐々に難易度が下がっていきます。)1番2番の5桁~16桁の問題は残念ながら正答者はいませんでした。
競技は進み、4番の5桁~15桁加算をとうとう個人総合競技王者の堀内祥加選手(千葉県)と小米良千裕選手(大分県)の2名が正答!日本一はこの2人に絞られました。続く5番で堀内選手のみ正答! 見事、この種目でも日本一に輝きました。しかも堀内選手はこの種目の日本一は今回で8度目です!
◆小学生日本一・優秀賞表彰
休憩をはさんで午後からの競技に先立ち、午前中に行われた個人総合競技における小学生の日本一が発表されました。年々レベルアップしている小学生。今年はなんと9名の選手が1500満点中1300点以上を獲得するという超ハイレベルな結果に!そんな中、埼玉県の小学3年生、辻窪凛音選手がなんと1445点を獲得!
見事、今年度の小学生そろばん日本一の栄冠に輝いきました。
また、高得点を取ったにも関わらず惜しくも小学生日本一は届かなかった小学生にも小学生優秀賞が授与されました!
◆読上算競技
小学生の表彰も終わり競技再開!午後1番の競技は読上算競技。この種目も読上暗算同様、高難易度の問題から始まり、早く正答出来た者が勝つルールです。数多くの選手が虎視眈々と狙っているこの種目。実は毎年優勝者が変わっているんですね。それほどまでに全国レベルの選手でさえ一切の余裕を持てず、確実に正答することは困難を極める種目です。
それもそのはず。この種目は読上暗算以上に読み手が読むスピードがものすごく速いです!おそらく一流選手でなくては聞き取ることさえ困難でしょう。(もちろん、決して読み手の滑舌が悪いわけではありません。)
1番の問題は多くの選手の手が挙がるものの残念ながら正答者なし。しかし、続く2番の問題を杵川日向雅選手(三重県)、森拓磨選手(宮城県)、山之端未有(沖縄県)の3名が正答!3名による日本一を賭けた息を飲む勝負が展開されました。なかなか決着がつかず勝負は8番の問題までもつれ、ここで唯一人、杵川選手が正答し、この種目初の日本一に輝きました!なんと杵川選手はまだ中学3年生!大人の強豪選手を打ち破り、若き新王者が誕生しました!
◆都道府県対抗競技
全日本大会もいよいよ最後の種目、都道府県対抗競技を残すのみとなりました。1回戦から激闘が繰り広げられ、優勝候補が姿を消す波乱もまきおこりました。決勝に勝ち上がったのは大阪府・山口県・青森県の3チーム。最初の見取算では青森県が先勝。2種目のかけ算は山口県が獲り、大阪府の3位が決定。
そして最終種目のわり算。両チームともに1名が正答し、計算順位で上回った青森県が見事この種目の王者となりました!
◆表彰式
最後に個人総合競技入賞者への表彰式が執り行われました。みなさん良い笑顔です!
それでは最後に、全日本大会の1日をおった写真をたくさん掲載します!
よろしければこちらもご覧ください!
≫成績表はこちらから
- [2014/08/11 23:04]
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平成25年度全日本珠算選手権大会 リポート



納得ができない種目のみを徹底的に練習するようにしています。

大会直前は,練習量を減らしてでも,睡眠をとるように心がけています。

オールラウンドに優勝をねらえる選手になりたいです。



前日,会場での練習が上手くいかなくて,とても心配でしたが,雰囲気にのまれず,集中して問題に取り組むことができた。四連覇は,運が良かっただけです。


3桁15口の場合は,1.6秒。

最初の競技なので,目覚めを良くする。

優勝するよりも,入賞をめざしています。



16桁正答,かつ優勝をねらっていたので,とてもうれしいです。今後もオールラウンドに優勝をねらえる力を付けていきたいと思っています。



本当にうれしいです。1口1口を丁寧に積み重ねていこうと落ち着いて臨みましたが,途中,手が少し震えました。でも,焦らず最後まではじくことができて良かったです。



風邪をひかないように,規則正しい生活を心がけています(が,なかなか…)





「前日の練習会の時に初めて3人そろって少しやりました」




金本 大夢選手(奈良県・小6)










- [2013/09/27 12:02]
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参加選手が珠の「集中力」発揮:平成25年度全日本珠算選手権大会
参加選手が珠の「集中力」発揮
平成25年度全日本珠算選手権大会フラッシュ暗算競技 優勝
笹野 健夫 選手 (岩手県)
- 4連覇達成・5度目のフラッシュ暗算競技日本一! -
競技は全問題、3桁15口加算で競われ、決勝4題目3桁15口1.79秒で笹野健夫選手(岩手県)が優勝を飾った。
なお、その後に行われたギネス記録挑戦では笹野選手本人の持つ3桁15口1.7秒の記録から、さらに0.02秒短い1.68秒の問題1題に挑戦したが、残念ながら記録更新には至らなかった。「小学生そろばん日本一」
金本 大夢 選手 (奈良県)
奈良県の金本大夢選手(小6)が個人総合競技で1,470点を獲得。小学生そろばん日本一の座に輝いた。読上暗算競技 優勝
土屋 宏明 選手 (宮城県)
個人総合競技優勝と合わせて読上暗算競技でも優勝を達成した。
読上算競技 優勝
伊藤 由夏 選手 (広島県)
第1問目の問題、7桁から16桁の加減算を伊藤由夏選手1名だけが正答し、優勝した。都道府県対抗競技 優勝
兵庫県代表 二連覇 達成
青森県、兵庫県、三重県の代表が接戦を勝ち抜き、熱戦の結果、三重県と兵庫県代表による決勝が行われた。
接戦を制して兵庫県代表(鈴木ひとみ、伊藤緑薫、荒木大各選手が優勝、昨年度に引き続き二連覇を達成した。
入賞者一覧は下記よりダウンロード
成績表1 成績表2
- [2013/08/08 14:37]
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京都に続くそろばん日本一の道:平成25年度全日本珠算選手権大会
京都に続くそろばん日本一の道
平成25年度全日本珠算選手権大会
平成25年度全日本珠算選手権大会はそろばんの日の「8月8日」、京都市「京都国際会館」で開催された。
大会には小・中・高校・一般、合計523名が参加し、各競技において「珠の集中力」を発揮した。
個人総合競技 「そろばん日本一」
土屋 宏明 選手 (宮城県)
午前10時過ぎから個人総合競技が行われ、まず、小学生参加選手が乗算・除算・見取算・かけ暗算・わり暗算・見取暗算6種目の問題(1500点満点)に挑戦した。
続いて中学生以上の参加選手が同様に6種目の問題に取り組んだ。
結果、土屋宏明選手・堀内祥加選手2名が1500点満点、壇上において両名による同点決勝が行われた。
決勝問題では土屋選手が2種目満点(225点)を獲得、25年度そろばん日本一に輝いた。
- [2013/08/08 13:54]
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平成24年度全日本珠算選手権大会
平成24年度全日本珠算選手権大会
昼食休憩をはさんで午後から種目別競技と都道府県対抗競技が行われた。
種目別読上算競技 優勝 堀内 祥加 選手(千葉県)
種目別読上暗算競技では、堀内祥加選手(千葉県)が優勝、4連覇を達成した。(2問目、5~16桁の加算を正答)
種目別読上算競技 優勝 賀来 有希沙 選手(東京都)
種目別読上算競技では、東京都の中学2年生・賀来有希沙選手が栄冠を手にした。
(7~16桁加算40秒)
都道府県対抗競技 優勝 兵庫県チーム
準決勝を勝ち上がった兵庫県・青森県・沖縄県各チーム(小学生・中学生・高校生以上それぞれ1名、計3名で1チーム)が熱戦を繰り広げ、決勝戦では兵庫県チームと沖縄県チームが優勝を争った。
結果、僅差で兵庫県チーム(荒木 大・鈴木ひとみ・今井理佐各選手)が優勝を果たした。
「小学生そろばん日本一」 斎藤 俊選手(青森県)
今年度5度目となる「小学生そろばん日本一」は斎藤俊選手(青森県)が獲得した。斎藤選手は中・高校生以上での個人総合競技1480点以上の上位者にも含まれた。
フラッシュ暗算競技優勝 笹野 健夫選手(岩手県)
決勝戦9問目3桁15口1.71秒で笹野選手が優勝、この競技3連覇を達成した。
なお、笹野選手には昨年度大会更新記録がギネス記録に認められ、認定証が伝達された。
成績表その1・成績表その2
- [2012/08/10 17:22]
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